インドなど新興市場向けの電気自動車、パワートレイン、ADASなどの開発・製造に向けて
インドでEV開発を行うマヒンドラ(Mahindra & Mahindra, Ltd.)と、ルネサス エレクトロニクス株式会社は11月30日、フォーミュラEで戦略的提携を締結した。これはマヒンドラ・レーシング・フォーミュラEチームが、ルネサスをオフィシャル・テクノロジー・パートナーとして迎えたことで成立したもの。(坂上 賢治)
これに併せて一般のEV開発でも、フォーミュラEを技術開発のプラットフォームとして活用する、マヒンドラの「Race to Road方針」(レースで使用した技術を量産車に適用する方針)に基づき、レーシング・カー及び量産車のPoC(proof-of-concept:プロトタイプ実装に際しての機能検証工程)の開発を含め、幅広く提携していくことも含まれていると云う。
この戦略的提携を通じて、両社はそれぞれの強みを持ち寄り、インドなど新興市場向けのEV、パワートレイン、ADASなどの開発・製造に向けて提携関係を拡大していく。
これついてマヒンドラのManaging Director兼Mahindra Racing UKのChairmanであるDr. Pawan Goenka(パワン・グエンカ)氏は、「フォーミュラE選手権シーズン4の開幕にあたり、ルネサスをマヒンドラ・レーシング・フォーミュラEチームの主要なテクニカル・パートナーとして迎えることを大変嬉しく思います。
フォーミュラEはマヒンドラのEV技術・ノウハウの発展に資するものであり、また、今回のルネサスとの戦略的提携により、EV技術の開発は加速すると考えています。
ルネサスと提携することで、同社の車載半導体での知見を活かして、マヒンドラのフォーミュラE選手権でのポジションを押し上げ、急成長中のインドEV市場に於いて、引き続きパイオニア的存在たり得ることを期待しています」と述べている。
一方、ルネサスの執行役員常務の大村 隆司氏は、「インドはルネサスが注力する市場の一つであり、特にEV分野を中心に、今後の事業拡大が期待されます。
インド政府は2030年までに、インドで販売される全自動車をEVのみに制限する政策を発表しており、今後インドのEVとしては膨大な市場機会が広がっています。
マヒンドラとの今回の提携を通じて、ルネサスは卓越した設計技術をオープンで包括的なプラットフォームである“Renesas autonomy™”に搭載し、インド市場に提供できることを嬉しく思っています。
マヒンドラ・レーシング・フォーミュラEチームのスポンサーとなることも非常に光栄であり、当社の先進的な半導体技術によって、マヒンドラのEVの性能やレーシング・チームのパフォーマンスの引き上げに貢献したいと考えています」と語っている。