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2018年12月14日【エネルギー】

タジマEVの2020HPの6輪スーパーカー、福島県で生産へ

坂上 賢治

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 株式会社タジマEV(所在地:東京都板橋区、代表取締役会長 兼 社長:田嶋伸博)は12月14日、東京大学の堀・藤本研究室との共同研究の成果報告会を東京都内で実施した。この壇上で、0-100km/h加速1.95秒の性能を持つ6輪EVを含む6台のEV開発を進めていく事を披露した。(坂上 賢治)

 

 

 これら複数車両の計画実施に向け、具体的に動き出す意志を持ったことについて同社は、堀・藤本研究室とEV車両運動制御に関わる共同研究を行ってきた中で、事業を進めるための手応えを得たこと。

また折角、同計画を推し進めるのであれば、大手自動車メーカーが成し得ない超高級プレミアム車両と、低価格帯のシティコミュターの双方を手掛ける事が得策との結論に至った。

 

 

 タジマEVの田嶋伸博社長は「これまでハイパーEV開発車を用いて、様々な研究開発および実験を繰り返し行ってまいりましたが、この度、一定の成果を得ましたので、成果報告会並びに同技術を活用した新開発車両の発表に至りました」と話している。

 

例えば、6輪EVの「モンスターE-ランナー コード6」は、プレミアムカーゆえの受注生産を考えており、電動モーター駆動による車両ゆえに走行性能については加速重視にするか、速度重視にするかなど出力特性を大きく変化させられるのだという。

 

 

仮に0-100km/h加速1.95秒車両に仕立て上げるのであれば、最高速度は300km/h超程度となる。逆に加速性能を抑えれば、より高速度による巡航が可能になる。なお販売車両の生産を行う拠点は、福島県いわき市が中核となる見込みだ。

 

これはタジマEVが、経済産業省の津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金を活用していわき市(四倉工業団地などが候補地)での事業所設置を目指しているため。補助金交付が決定次第、いわき市での操業を開始(2021年春を目途)する意向だ。

 

6輪EVの車両披露は想定外に早く、米国カリフォルニア州ラグナセカ・レースウェイで来年8月に開催される「モントレー・カーウィーク」が発表の舞台だとしている。

 

 

車両販売自体の方法やルートは、個々の車両毎にマーケットが異なるため、流通ルートも多角化するものと見られるが、現段階では大手家電量販店の他、石油元売りSSを介してデリバリーを行う予定であるとしている。

 

 併せて今報告会では、車両開発計画の発表に付随して東京大学 堀・藤本研究室の布施氏から実験成果についての報告。さらに車両スタイリングを担当するKEN OKUYAMA DESIGN代表の奥山清行氏からコンセプトスケッチが発表され、さらに企業および官公庁(国土交通省、経済環境省、環境省、いわき市)から電気自動車および環境問題への取り組みも併せて発表された。ちなみにベネッセホールディンクス名誉顧問で、旧・株式会社SIM-Drive(当初、元慶應義塾大学環境情報学部教授・清水浩氏のインホイールモーター構想を基に創業したEVベンチャーで2017年解散)会長でもあった福武總一郎氏も、一般社団法人 電気自動車普及協会 名誉会長としてコメントを寄せた。

 

 

発表した新開発車両は以下の通り

 

  • 6輪ハイパーEV Monster E-Runner KODE6
     概要:世界最高の性能とスタイリングを持ったハイパースポーツカー。
  • グリーン スロー モビリティ E-Runner GSM1
     概要:観光地や施設内の人員輸送を目的とした低速車両(今後は自動運転化、ドライバーレス化も目指す)。
  • 超小型モビリティ(乗用) E-Runner MV1
     概要:2名の近距離移動に最適化させた国内向けと海外向け仕様も展開。
  • 超小型モビリティ(デリバリー) E-Runner DV1
     概要:2名の近距離移動に最適化させた国内向けと海外向け仕様も展開。
  • 原付4輪(デリバリー) E-Runner DV2
     概要:小型で利便性の高い、デリバリー用の原付4輪バン。
  • 原付4輪(ライフケアビークル 電動車いす搭載) E-Runner LCV1
     概要:電動車いすで運転が可能な利便性の高い原付四輪。

 

 

研究発表者は以下の通り

 

  • 一般社団法人 電気自動車普及協会 名誉会長 福武 總一郎氏
     (代読:一般社団法人 電気自動車普及協会 事務局長 椎木 護)
  • 株式会社タジマEV 代表取締役会長兼社長/CEO 田嶋 伸博氏
     (新EV事業化計画概要の説明)
  • 東京大学 堀・藤本研究室 布施 空由氏
     (堀・藤本研究室 ✕ タジマEV共同研究・独立駆動制御の研究成果発表)
    株式会社タジマEV 執行役員 石井 慎二氏
     (Monster Motor Syatem 開発概要の説明)
  • KEN OKUYAMA DESIGN 代表 奥山 清行氏
     (新EV コンセプト概要の説明)
  • フォーアールエナジー株式会社 代表取締役社長 牧野 英治氏
     (フォーアールエナジー事業概要の説明)
  • Grobal Head of Sales of EasyMile, Eric WICART
     (ドライバーレス新サービス事業概要の説明)
  • KDDI株式会社 ビジネスIoT営業部 マネージャー 内野 敦氏
     (EVのIoTサービス概要の説明)
  • 株式会社テクノプロ 代表取締役兼専務執行役員 テクノプロデザイン社社長 嶋岡 学氏
     (EV社会実現に向けた人材開発の説明)
  • 国土交通省 総合政策局環境政策課 課長代理 三重野 真代氏
     (グリーンスローモビリティについての説明)
  • 経済産業省 経済産業政策局 産業創 課 課長補佐 豊福 亘氏
     (第4次産業革の取り組みについての説明)
  • 環境省 環境再生・資源循環局 次長 森山 誠二氏
     (福島再生・未来志向プロジェクトについての説明)
  • 福島県いわき市 市長 清水 敏男氏
     (いわき市バッテリーバレーをはじめとする活動紹介)
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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。