スズキは9月5日、大型二輪車「V-STROM(ブイストローム)1050」を一部仕様変更すると共に、新たに「V-STROM 1050DE」を設定して海外向けに発表した。2023年1月より欧州・北米を中心に全世界で順次販売を開始する。( 坂上 賢治 )
同車の初代モデルは2019年秋、イタリア・ミラノで開催された「EICMA2019(ミラノショー)」で初披露。その後、浜松工場から生産・出荷され、2020年初頭より欧州・北米を皮切りに販売が開始された。
モデル名の「V-STROM」は、英語で〝万能、多目的〟を意味する〝Versatile〟のVと、ドイツ語で〝流れ〟を意味する〝STROM〟を合わせたもの。車体デザインは、クチバシを想起させる独特なもの。
軽量化と剛性を両立したボア径100mmのピストンは軽量・コンパクトな薄型として、上部にアルマイト処理(陽極酸化)を施して耐久性を向上させている。「万能性」「日常的な扱い易さ」「走行性能」が調和したスポーツアドベンチャー ツアラーモデルとなっている。
なお今回の一部仕様変更では、クラッチやスロットルを操作せずにシフトアップ/ダウンが可能な双方向クイックシフトシステムを採用した他、クルーズコントロールシステムが設定可能な速度域やギヤポジションの範囲を広げるなど、様々な走行シーンに対応する電子制御システムS.I.R.S(スズキインテリジェントライドシステム)の機能を充実させた。
これにS.I.R.Sの設定状況を含む様々な情報を表示する5インチ大画面カラーTFT液晶メーターを組み合わせて、長距離ツーリングに求められる使い勝手や利便性を向上させた。
加えて新たに設定した「V-STROM 1050DE」は、長距離ツーリングの過程で未舗装路まで足を伸ばす事を想定し、トラクションコントロールシステムに専用のGモードを設定した他、リヤブレーキのABS解除モードを設定して未舗装路での操縦安定性を高めた。
また専用のディメンションを採用し、フロントには大径の21インチホイールを装着、前後タイヤにセミブロックパターンのタイヤを採用した。
その他、DEモデルでは標準車よりも左右に20mmずつ幅を広げ、衝撃吸収性能を向上させたハンドルバーや、アクセサリーバー、地面の飛び石等からエンジン下部を保護するアルミ製エンジンプロテクターを採用している。