トヨタ自動車傘下のTOYOTA GAZOO Racing(TGR)は4月28日、RZグレードへのマニュアルトランスミッション設定車の追加を含む車両改良内容を発表した。この6速トランスミッション車は今年2022年夏頃より商談受付を開始し、同年秋頃から日本国内市場へ提供される。( 坂上 賢治 )
グローバルモデルとしてのスープラは1978年登場の初代以降(日本国内市場のみセリカXXの車名で1986年迄、販売が続いた)、直列6気筒エンジンのFR車設定が用意される等の特徴を継承し続け、かつ現在のSUPER GT参戦を筆頭にモータースポーツでも活動を重ね、更にレース専用車両のGR Supra GT4は2021年末時点、発売開始から約1年半で累計販売台数50台に伸ばしている。
今回のスープラとしての車両改良では、まずシャシー性能を熟成させて運動性能を磨いた。加えて、予てより消費者層から搭載が予測され、ことさら期待感が高かった6速トランスミッション車が、今回ようやく車両ラインアップに加わった(RZグレード設定)。
具体的な主な改良内容は、ステアリング、足回りの改良によるハンドリング性能の向上に加えて、AVS制御/Adaptive Variable Suspension・アブソーバーの減衰特性チューニングによりロールバランスと乗り心地性が向上。スタビライザーブッシュの特性変更により操舵初期の応答性も改良されているという。
併せてシャシー制御系(AVS・EPS/Electric Power Steering・VSC/Vehicle Stability Control)も見直し、操舵フィーリング・限界域での車両コントロールもより手応えを感じさせるものとした。またコンピューターがドライバーのクラッチ、シフト操作に合わせて最適なエンジン回転数に制御するiMT機能も追加された。
これはシフト操作時に自動ブリッピングし、ドライバーの意を汲んだスムーズで気持ちの良いスポーツ走行に貢献するもの。マニュアルトランスミッション車の走行時に於ける室内音も、専用の室内サウンドチューニングにより加速時の盛り上がりが演出されている。
RZグレードには、新意匠の鍛造19インチアルミホイールを採用。GRヤリスやGR86との統一性を持たせつつ、スポーク形状や断面形状を見直す事で軽量化・高剛性化を両立した。塗装はプレミアムチタンダークシルバーを新採用。質量は1本あたり1.2kgの軽量化を実現させている。
車体色は全グレード共通でボルカニックアッシュグレーメタリックと、ドーンブルーメタリックを新設定すると共に、RZに台数限定で新規色マットアバランチホワイトメタリックを設定する等、新規外板色の3色を追加変更。
これに併せてRZグレードのメーカーオプションとしてタンカラー内装を新たに採用した。またRZグレード、SZ-Rグレードには、JBLプレミアムサウンドシステムのサウンドチューニングを最適化させて音質改善を図った。