トーヨーカラーは5月10日、自動車の衝突防止システムなどで使用されるミリ波電波を吸収する射出成型可能なコンパウンドを共同開発したと発表した。
ミリ波は波長が1-10mm、30-300GHzの周波数の電波のことで、前方走行車の検知や距離の計測、周辺障害物の検知するレーダーに使用され、自動車の衝突防止や速度の自動調節といった安全運転の支援に用いられている。自動運転普及社会においては、ミリ波レーダーは安全性確保のためのキーテクノロジ―といえる。従来は金属とゴムを用いた電波吸収シートにより電波の干渉を防いでいたが、加工性に課題があった。
今回、トーヨーカラーは、タケチ、新日本電波吸収体と共同で、ミリ波電波吸収性能を持つ射出成型可能なコンパウンドを開発した。この製品は加工性・成型性に優れ、電波の乱反射による誤作動を防止することで、自動車の安全運転支援に欠かすことのできないミリ波レーダーの精度向上に寄与する。顧客の要望に応じて樹脂種や成型品の厚み、電波特性(反射減衰、透過減衰)のカスタマイズが可能だ。
3社の役割
・トーヨーカラー
カーボン系材料の分散技術に強みを持ち、独自の配合技術によりコンパウンドの設計と製造を行う。
・タケチ
ゴムシートの電磁波吸収体を展開し、電波吸収体の量産時の成型加工と品質保証を行う。
・新日本電波吸収体
電波吸収体の専門家として、電波吸収体の設計やスペック提案を行う。