住友理工は5月19日、「人とくるまのテクノロジー展 2021 ONLINE」に、住友電気工業、住友電装と3社共同で出展すると発表した。
電気自動車(EV)の拡大や、自動運転車の技術進歩など「CASE」への取り組みが加速し、自動車産業が大きな変革期を迎える中、住友理工はコアコンピタンスである「高分子材料技術」「総合評価技術」を駆使し、新たな製品や材料の研究・開発に積極的に取り組んでいる。
展示会では、特に「C:Connected」「A:Autonomous」「E:Electric」に関わる住友理工グループの製品を展示する。
「C:Connected」「A:Autonomous」に貢献する製品として、センシング領域である、「フィルム加飾オーナメント」「車室空間デバイス」「ドライバーモニタリングシステム」を出展。「E:Electric」に貢献する製品では、熱マネジメント領域の、「薄膜高断熱材:ファインシュライト」「電池セル間断熱材」の展示を予定している。
<開催概要>
– 展示会名:自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展 2021 ONLINE
– 会期:5 月 26 日(水)~7 月 30 日(金)
– URL:https://aee.expo-info.jsae.or.jp/ja/online/
<展示品紹介>
C:Connected 対応
フィルム加飾オーナメント【開発品/初出展】
エンブレムなどの外装部品や、内装部品に活用できるオーナメント。独自のフィルム貼り付け工法により、細かな凹凸の表現が可能。塗装と比較して、溶剤使用が低減できるため、環境に配慮した製品である。特殊金属調フィルムを採用することで、電波透過・光透過性能を保持し、ミリ波レーダー対応エンブレムへの適応やイルミネーション化が可能。さらに、「フィルム+伸縮センサー」によるセンサー内蔵オーナメントの開発にも取り組んでいる。
A:Autonomous 対応
車室空間デバイス【開発品】
前回出展した高機能アームレストを改良し、操作したい時にスイッチが出現する仕組みへと進化。シンプルかつ機能的なインテリアとして、より直感的な操作や快適なモビリティライフに貢献する。特定のエリアに手が近づいたことを検知してスイッチを表示するとともに、内蔵された柔軟な「スマートラバー(SR)センサ」でスイッチ動作を実現している。また、ハプティクス(触覚)インターフェースを搭載し、電気を通す特殊なゴム材料「SR」でできた駆動装置(アクチュエーター)がスイッチ動作への応答を振動で人に伝える。これは、「SR」の特性を応用したもので、強弱やリズムなどさまざまな種類の振動を表現することが可能。
ドライバーモニタリングシステム【プロトタイプ】
「SR センサ」をクッション形状に加工してシートの座面に設置し、「SR センサ」で計測した座面の圧力変化からドライバーの心拍数・呼吸数・体の動きなどを検知。測定値から、疲労や居眠り、急病予兆などドライバーの状態を推定し、警告や運転支援システムの作動、外部への通報などのサービスへとつなげる。
E:Electric 対応
薄膜高断熱材:ファインシュライト【初出展】
高分子材料技術を応用し、空気が動けないほど微細な、ナノサイズの細孔を持つ高断熱フィラー(シリカエアロゲル)を塗料化。不織布、成形樹脂などの基材にコーティングすることで、静止空気以上の高断熱性を発揮する。モビリティが EV 化すると、すべてのエネルギーを電気で賄うことになるため、冷暖房の効果を高めるこの製品は、航続距離の延長に貢献する。車載用のほかに、家電や住宅、フードデリバリーなど多様な分野での活用が期待される。
電池セル間断熱材【開発品/初出展】
ファインシュライトのバインダー配合技術をさらに発展させ、数百℃の高温に耐えられる断熱材を EV のリチウムイオン電池向けに開発。セルが異常に発熱した際に、隣接するセルへの熱連鎖を抑制し、車両火災につながるような大事故を回避する役割を担う。顧客の要求に応じて、断熱性能や硬さなどの特性を調整し、最適化を図る。