三井住友DSアセットマネジメントは2月12日、自社のマーケットレポート「『自動運転』の普及に向け法整備が進む」を2021年2月10日に発行した。これは同社が、経済環境や市場動向を独自に調査。これを基に日々発行しているマーケットレポートの同日発行版となるもの。
そのテーマとなったのは「CASE」(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化を指すもの)だ。ご承知の通りCASEは今後自動車業界に100年に1度の大変革をもたらすといわれているが、このなかのひとつ『自動運転』は目下、国内外で熾烈な技術開発競争が繰り広げられている。
またそのような技術競争に加え、走行環境上の枠組みとなる法規制は、現時点では運転者の関与を前提としているため、『自動運転』の実現には、法整備を含んだ国家・交通環境・人間社会に於ける広いコンセンサス必須だ。もちろんこれを受けて世界規模で国際条約を整備することに加え、各国というカントリーレベルでも法整備が進められていることから、その動向には注目が集まっている。ちなみにそのポイントは以下のふたつである。
■ポイント1:『自動運転』の国際基準を策定
– ウィーン条約・ジュネーブ条約は、自動車の走行は運転者の関与を前提としている。具体的には、WP1(道路交通安全グローバルフォーラム)などの諮問・答申組織による見直しが進められており、この結果、システムが運転主体となる『自動運転』を認めることが可能となった。
これを受けてカントリーレベルにあたる各国は、個々行政傘下により車両運行法の改正が可能となり、日本は2020年に道路交通法を改正。欧州各国も順次改正手続きを進めている。
そり結果、2020年にWP29(自動車基準調和世界フォーラム)が『自動運転』レベル3に関する初の国際基準を策定。各国が自国の車両法に反映させていく方向が固まった。
■ポイント2:各国で『自動運転』に対する法整備が進む
– さらに国内では、運転の主体がシステムとなるレベル3の『自動運転』車が、公道を走行する時のルールを決めた改正道路交通法と『自動運転』車の整備内容を定めた改正道路運送車両法が、2020年4月に施行された。
これによって『自動運転』のレベル3が国内で解禁されることになり、法規定に従えば公道で自動運転車が走れるようになった。
対する海外では、ドイツで2021年前半に法整備が完了する流れであり、欧州各国も順次対応を進めている。一方、米国は州法などによる規制・許可に基づき『自動運転』の公道実証などが進められており、カリフォルニア州やアリゾナ州、フロリダ州など、『自動運転』に積極的な州で実用化につながっていくケースが多い。
■今後の展開:法整備とともに、『自動運転』の開発競争は加速
– 2020年11月、ホンダが世界初となるレベル3の『自動運転』機能を搭載した高級車「レジェンド」の発売を発表した。2021年1月には米ゼネラル・モーターズ(GM)が2021年中に日本で『自動運転』の実証実験を実施すると発表している。
世界の主要メーカーでは、独メルセデス・ベンツが「Sクラス」にレベル3の『自動運転』機能を搭載し、2021年~2022年に投入する見通し。各国で更に法整備が進み、『自動運転』の開発は一段と加速するとみられると結ばれている。
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