住友商事は、10月31日、河南中鑫企業集団有限公司と共に、中国自動車アフター市場向けに消耗品や一般修理部品の販売を目的とした自動車部品流通販売の合弁企業(以下「新会社」)を設立する事に基本合意したことを発表した。
中国は世界最大の自動車市場であり、2017年の新車販売台数は約2,900万台と9年連続で世界一となっている。同国内の自動車保有台数は約2.2億台に伸長し、2020年には2.8億台へと拡大する見込みだ。
そのような自動車保有台数の増加は、中国自動車アフター市場の急速な拡大にも繋がり、現状で中国における平均車齢が5年に近づいてきている事もあり、今後数年間で修理や整備等の需要は年率数十パーセントで拡大することが予測される。
国民の所得水準が向上する中、高品質な製品やサービスへの需要が高まることで、今後は今まで以上の品質保証体制、技術力の向上や販売チャンネルの透明化が求められてくるといえる。
そういった背景の中で、今回設立される新会社では、市場環境や消費者ニーズを捉え、品質重視で本物志向の製品やサービスを提供することを目的とし、主にOEMサプライヤーが製造する中高級車種向け消耗品や一般修理部品を中心に販売する予定。
また、出資比率の過半を住友商事が占める予定で、中国市場トップクラスの自動車アフター部品供給プラットフォームの構築を目指すという。
部品等の販売先は、中鑫集団傘下で自動車アフターサービスを提供する、中鑫之宝汽車服務有限公司(本社:中国河南省鄭州、代表:陳剣、以下「中鑫之宝」)やその他の地域代理店等。
中鑫之宝は高級車修理サービスに特化した企業で、高い修理技術やノウハウ(液体分析、エンジン気筒修理、ATリビルト等)を有しており、十数年のノウハウを標準化した高度な研修体制やブランド別の技術支援体制も完備している企業。
ちなみに、中鑫之宝は、中国自動車アフターサービスの顧客満足度調査において、2016、2017年の2年連続顧客満足度NO.1企業の評価を受けている。
住友商事は、従来から米国市場等で展開している自動車部品流通販売事業をはじめ、中国市場で展開する自動車部品製造販売事業等から得た豊富な知見を持つ。また、幅広い自動車バリューチェーンも有しており、同社ではそれらのノウハウを最大限に活かし、同社のみが産み出せる価値やサービスの提供を目指す。
■新設会社の会社概要(名称未定)
所在地 | 河南省鄭州市 | |
設立年月(想定) | 2019年上期 | |
事業概要 | 中高級車種向けを中心とする消耗品・一般修理品の販売 | |
主要商品 | オイル類、フィルター類、ケミカル類、ブレーキパッド・ディスク、ショックアブソーバー、 バッテリー、スパークプラグ等 | |
出資比率(未定) | 住友商事50%以上、中鑫集団50%未満 |
■河南中鑫企業集団有限公司の会社概要
所在地 | 河南省鄭州市 | |
設立年月 | 1997年3月 | |
事業概要 | 自動車アフターサービス事業、ディーラー事業、保険事業、携帯端末等のリテール事業 | |
法定代表者 | 季衛東 | |
従業員数(連結ベース) | 3,000人 |