豊田通商の完全子会社のCFAO社は、南アフリカで最大の自動車ディーラーネットワークを展開するユニトランスモーター(Unitrans Motor)グループの株式74.9%を取得するため、親会社であるシュタインホフ(Steinhoff)社との独占交渉を開始した。
なお、株式の残り25.1%については、B-BBEE(Broad-Based Black Economic Empowerment)政策(※)に基づき、シュタインホフグループが現地企業へ譲渡し、CFAO社と合弁事業を設立する。
ユニトランスモーターグループは、南アフリカの大手自動車ディーラーグループの一つで、99社のディーラーを傘下に持ち、10以上の自動車ブランドを取り扱っている。
また、南アフリカ全土でレンタカー事業及び保険事業を展開。従業員数は約6,000人、昨年度の売り上げは15億ユーロ(約 1,850億円)となっている。
南アフリカの新車市場は、アフリカ大陸の中で最も大きく、2018年の販売台数は55万台。大陸全体の45%を占めていると云う。
CFAO社の会長兼CEOのRichard BIELLE(リチャード・ビエル)氏は、「従来、同国では車の生産部品供給と物流サービスのみを展開していた当社にとって、アフリカ最大の自動車小売市場への参入は、南アフリカでの事業強化になるだけでなく、汎アフリカ全体の事業にとって大きな節目になる」と話している。
なお、株式譲渡は、シュタインホフグループとCFAO両社による最終合意契約書への締結と、南アフリカ各当局および関係各所による承認が前提となる。
*B‐BBEE(Broad‐Based Black Economic Empowerment):黒人経済強化政策。幅広く黒人の地位回復を目的とした南アフリカ独特の制度。
■Unitrans Motor(英語):https://www.um.co.za/