スバルは米国時間の9月10日、同国仕様の新型「WRX」を世界初公開した。なおスバルによると米国仕様の新型WRXは、2022年に米国内に於いて販売開始予定としている。
WRXは、スバル得意のシンメトリカルAWDシステムに、パワフルなパワーユニットを組み合わせた同社の旗艦モデル。WRXの初代登場は1992年。インプレッサWRXとして誕生以降(米国内への初導入は2001年から)、4世代に渡って一般ドライバーの普段使いに応えられる実用性を持つセダン型スポーツ車として永年スバルファンの支持を得てきた。
今回、車体骨格はWRXシリーズとしては初のスバルグローバルプラットフォームを取り入れたフルインナーフレーム構造に。これに対して補強を加えて高剛性化させた。フロントノーズ下に2.4L水平対向4気筒直噴ターボエンジンを搭載。新たに改変された動力・駆動系制御ソフトウェア(スバル・パフォーマンス・トランスミッションなど)を組み合わせて、走行中の変速時や加速時の即応性を高めたとしている。
併せてこのボディシェルとパワーユニットに呼応させるべくサスペンション・ジオメトリも最適化。従来型に比較して実用域のストローク長を伸ばして接地性や安定感を高めるようにしたという。
また操舵時のダイレクト感についても再検討され、モーターによるアシスト軸とドライバーのステアリング操作軸を、あえて別軸とした2ピニオン方式の電動パワーステアリングを採用。この結果、滑らかで応答遅れのないスポーティなステアリングフィールと回頭性の高さを実現しているとスバルでは謳っている。
エクステリア面で、まずフロントはヘキサゴングリルをベースに立体的で彫りの深い造形とし、ワイド&ローを強調したフロントバンパーのデザインやフェンダー造形、さらにフロントフェンダー後部とリヤバンパー後部にはエアアウトレットを設ける事でドライバーに対して、走りへの期待感を醸成させる演出を施した。
一方、インテリア面では黒基調にレッドステッチを配し、一部のグレードにはRECAROと共同開発した新デザインのシートをセットする事でスポーツドライビング時の体格保持性能を高めた。そのシートに着座した前面のインストルメントパネル中央には、高精細の大型センターインフォメーションディスプレイを配置した。
加えて前後席のいずれもショルダールーム空間を拡大させてゆとりある室内の拡がり感を訴求。また実際に拡大させたホイールベース長(105.2インチ)に沿って後席空間も拡張させている。気になるトランクスペースは、従来型と同様として日常の使い勝手も確保・維持している。ボディのリアルサイズは、全長183.8インチ・全幅71.9インチ・全高57.8インチだ。
最後に走行安全では、ステレオカメラで捉える映像画角を拡大した新世代アイサイトを〝スバル・パフォーマンス・トランスミッション〟搭載車に標準搭載。これに電動ブレーキブースターを組み合わせる事で、プリクラッシュブレーキの作動領域が拡大。この結果、交差点などでの衝突回避能力が向上したという。
最後に新型WRX(米国仕様/18インチアルミホイール装着)の主な諸元(開発目標値)は以下の通り