再発する不手際。モノ造りの
現場で、エラーの黙認がまかり
通っているという異常事態を究明しなければならない
今会見についてのより具体的な内容は、同社生産工場内に置かれた測定端末のハードディスク等に保存されていた平成24年12月以降の6,530台(当該期間に於ける月次報告書上の測定台数は6,939台)分の測定データを今回改めて精査した。
その結果、JC08モードで定められた運転方法により燃費・排出ガス測定試験を行う際、道路運送車両の保安基準の細目を定める告知等に規定されている速度から、逸脱時間が許容されている範囲を超えた運転となったにも関わらず、これが有効な測定値となっていた事案が903台存在することを確認したとしている。
なお、同社ではこれらのうち、逸脱時間のデータが書き換えられていた台数については、現在、精査中としている。
また上記測定データを改めて精査した結果、燃費・排出ガス測定時には試験室内の湿度が30から75%の範囲でならなければならないとする規定に対して、湿度の環境がエラーであった事案が31台分(そのうち、上記との重複事案が7台分)存在していることが判明した。しかも、このようなエラー発生時の場合、検査の現場でエラーの警報が鳴り響く中で不正が行われていた。
午後5時より開かれた会見場に於いて吉永社長は、「昨年の完成検査員問題の発覚以降、問題の背景に当社の企業体質に関わる根深い問題があることを強く認識し、企業体質の改革に取り組んで参りました。
それにもかかわらず、国交省の調査を契機として、改めて過去に行われていた不適切事案が判明したことは誠に遺憾であり、お客様、お取引先様、その他の関係者をはじめ、当社を取り巻くすべてのステークホルダーの皆様に、さらにご心配をおかけすることについて、心よりお詫びいたします。
今事案の発生について、『行為の実態』、その他の『原因や背景』、『動機』等について充分に究明する段階に至っておらず、個人的には、来る6月に経営体制を刷新した後の新たな中期経営計画の発表についても、今後、影響を与えるだろうと考えています。
このような現状は、私としては心から無念な気持ちでありますが、再度、調査の陣容を強化して、抜本的な再発防止策の見直しを行い、これまでの企業体質の変革を目指し、企業風土を刷新することについて、より強く進めて参ります」と語っていた。