日本市場へのクロストレック導入(2023年以降)を皮切り、順次、グローバル展開へ
スバルは9月15日、クロスオーバーSUVの新型「クロストレック(CROSSTREK)」を世界初公開した。スバルのエントリーSUVモデルで、日本市場への導入(2023年以降)を皮切り、順次、グローバル展開する。(佃モビリティ総研・松下次男)
公開した新型クロストレックは3代目。日本市場の「XV」の後継であり、今回のフルモデルチェンジを機に、車名を北米などで使っているクロストレックにグローバルで統一する。
オンライン発表会でスバルの中村知美社長は「クルマは楽しいものでなければならない」と述べ、クロストレックを都会からアウトドアシーンまで幅広く活用できるSUVに仕上げたと訴えた。
車名のクロストレックはクロスオーバーとトレッキングを兼ね合わせた造語
SUVは今や乗用車市場の最大カテゴリーへと拡大しているが、一方で、その分、競合も激化する。こうした中で、スバルは他銘柄との差別化として「よりアウトドアを指向し、アクティビティを高めた」という。
車名のクロストレックはクロスオーバーとトレッキングを兼ね合わせて造語。XV投入から10年を機に、より車名にちなんだイメージへと近づけ、グローバルでブランドを統一することにした。
スバルが力を入れている安全面では、新世代アイサイトを採用。日本市場向けで初となる広角単眼カメラを加えて、プリクラッシュブレーキの対応域を拡大した。
従来のステレオカメラでは、側面認識にやや難点があったとし、広域単眼カメラでこれらの領域を補い、歴代アイサイトとして最高の性能を実現したという。
クロストレックの搭載パワートレーンは各海外市場別に公表される見込み
パワートレーンは、日本仕様向けにはモーターアシストの2リットル直噴水平対向エンジンのハイブリッドシステム「e―ボクサー」を搭載する。
しかし、海外市場向けに搭載するパワートレーンについては「今後、投入にあわせ、市場別に公表する」として見送った。
また、具体的な市場投入時期も明らかにしなかった。中村社長は半導体不足問題などもあるが、部品調達などのめどはある程度ついているとし、「日本市場投入後、時間をおかずに海外市場へ投入する」と表明した。
現状、クロストレックの最大市場は米国。車両価格についても、投入に合わせて公表するとした。
新世代アイサイト搭載の他、つながる機能も新たな新サービスへの進化を予告
車両サイズ(日本仕様)は全長4480ミリメートル、全幅1800ミリメートル、全高1580ミリメートル。ホイールベースは267ミリメートルの長さ。
デザインには、厚みを感じさせる高いフード位置により、逞しさを表現したフロントビューを生かす。これにより、個性的なデザインを一層、際立たせ、動的質感にもより磨きをかけたと表明した。
また、マルチマテリアルの多層構造により、各素材の風合いを活かした、シンプルでありながら表情豊かなインパネデザインをインテリアに採用。
さらに大学医学部との共同研究による医学的知見を取り入れたシート構造を取り入れ、車体の揺れが頭部へ伝わることを防ぎ、快適性を高めている。
このほか、衝突安全性のポテンシャルをさらに引き上げているほか、コネクティッドサービスについても従来の「つながる安全」機能に加え、利便性や快適性を高める新サービスへと進化させる予定だ。
上記諸元注釈
*4:グレードによって仕様は異なる。
*5:ルーフレール・シャークフィンアンテナ無しの場合は、全高-30mm。