2021年3月期通期業績見通しを下方修正/半導体不足で5万台の減産織り込む
SUBARU(スバル)は2月5日、電話会議による2021年3月期第3四半期の連結決算説明会を開いた。出席した岡田稔明・取締役専務執行役員CFOは、コロナ禍に伴う世界的な半導体不足が表面化していることから最終第4四半期の生産活動に対して「減産が避けらない」とし、その影響が4万8000台に上ることを明らかにした。(佃モビリティ総研・間宮潔)
それを受け、2021年3月期の通期計画を昨年11月4日の前回発表値から下方修正した。連結販売台数は前回発表値から4万2700台少ない86万7900台(前期比16.1%減)に、また生産台数も同じく5万8000台少ない82万3400台(同20.1%減)に下方修正した。
その結果、通期連結業績見通しは売上収益で前回発表値より1000億円少ない2兆8500億円(前期比14.8%減)に下方修正した。営業利益も100億円少ない1000億円(同52.4%減)、当期利益も50億円少ない750億円(同50.8%減)にそれぞれ減額した。
第3四半期までの連結業績(4~12月累計)は、売上収益で2兆748億円(前年同期比16.5%減)、営業利益で983億円(同35.6%減)、当期利益で742億円(同33.6%減)と第1四半期(4~6月)に受けた新型コロナウイルス感染症の影響を吸収しきれず、大きな減収減益を計上した。
第2四半期以降、重点市場の北米を中心にスバル車販売は回復傾向にあり、第3四半期単体では前年を上回る水準で推移、「コロナ感染症再拡大するなかでも、そのモメンタム(勢い)は変わっていない」(岡田CFO)と指摘した。
第3四半期累計の連結販売台数は前年同期比18.1%減の63万1100台となった。うち海外市場は同17%減の56万1500台となり、第3四半期単体ではわずかだが前年を超える24万700台となった。
米国では同6.6%増の19万5800台、豪州も同18.6%増1万200台、中国も同4.4%増の7100台となった。
一方、第3四半期累計の国内販売は前年同期比26.5%減の6万9600台となったが、四半期単体ではカー・オブ・ザ・イヤーを受賞した新型レヴォーグが寄与し、前年を超える2万7100台となった。
なお来期以降の半導体不足の生産・販売への影響や挽回策について、岡田CFOは「日夜、調達先と交渉しているが、いま明言できる状況にない」とコメントした。
スバルのビジネススキームが、高級なCセグメントなどに寄っていて、共有の半導体使用量が多く、分散発注していないことによる影響が大きいと指摘、「今後適正在庫なども含め再検討する」とした。