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2023年12月14日【自動車・販売】

欧州でのステランティス&ユー、正規販売網として拡大中

坂上 賢治

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2021年11月にステランティス・グループ傘下のPSAリテール( PSAの小売部門 )とモーターヴィレッジ( FCAの小売部門 )が統合して誕生した「ステランティス&ユー( S&Y )」は運営2年を経た今日、欧州に於ける主要自動車販売網として、次第に一定の地位を築きつつある。( 坂上 賢治 )

 

S&Yでは、上記の2つのネットワークが各々、長年培ってきた11,400人の従業員の知見とノウハウを活かし、自動車製造メーカーのステランティスから提供される専門知識を糧に、アフターサービス面で高水準かつ顧客中心のサービス品質を保証し続けると謳っている。

 

 

そんな同サービス拠点網は、組織内のハードウエア並びに人的リソースの再配置を繰り返しながら直近、過去3か月間で欧州圏とモロッコに於いて販売拠点を精力的に拡大している。

 

具体的には目下、ベルギー、英国、ドイツ、イタリア、フランス、スペイン、モロッコの7か国・13か所で事業を展開。欧州30都市のうち18都市では、自らの存在感を次第に強めつつあるとしている。

 

当該事業の基本骨格は、11のブランドと5つの事業分野( 新車、中古車の販売、アフターサービス、スペアパーツの販売、車両レンタル )をカバー。2年前に開設した自社サイトからは、欧州とモロッコ圏に於ける200拠点の正規販社網から届けられる新型車の詳細情報だけでなく、中古車のリアルタイム在庫にもアクセスできる。

 

 

こうしたデジタルを介したインターフェースをタッチポイントに、車両選択メニューを経てオプションを選び・購入した車両を、例えばフランス所在の顧客宅へ直接配送するなど、100%デジタル・カスタマー・ジャーニー( DCJ )を介した新たな顧客エクスペリエンスを用意していることが自社の最大の強みだと述べている。

 

またアフターサービスに係る付加価値向上でも部品流通網「Distrigo(ディストリゴ)」を介して、この2年間に亘ってスペアパーツ事業の吟味と刷新を行った。具体的には、今年7月に刷新されたパレルモの配送センターに加え、近々にはトリノに新たな配送センターが追加される。

 

なお、こうしたアフターパーツ網を介したサービス品質の拡充は2024年になっても続く。そもそも親会社のステランティス・グループでは、欧州下で約30地域の小売業者による流通ハブと密接に提携していることから、S&Yでも傘下ブランドの全スペアパーツに素早くアクセスできる体制が整っている。

 

こうした強みを背景に、例えばS&Yフランスでは、この5月からオンラインを介した顧客車両のメンテナンス予約の受付体制を拡充。S&Yフランスでメンテナンスを施した車両は、顧客が実店舗に引き取りに向かわずともパリのリヨン駅でスピード返却できるクイックサービスも導入。既に241人の顧客がこの新しいサービスパッケージを利用したという。

 

 

このようなサービス品質拡充に係る取り組みについてS&Yセールス部門でシニア・バイス・プレジデントを務めるロベルタ・ゼルビ氏は、「ステランティス・グループ傘下で、新たに立ち上がったサービス・ネットワークを率いる機会を得たことを誇らしく思います。

 

今日、自動車産業界に胎動しつつある新たな消費トレンドにより、リアル環境下のみのカスタマー・ジャーニー戦略一辺倒だった既存の自動車流通モデルが、次第に過去のものとなりつつあります。

 

 

S&Yは、そうした未来の流れを取り入れ、次世代のお客様へ対して最高のユーザー・エクスペリエンスを提供し、持続可能なモビリティ・ソリューションの提供機会を創造し続けてまいります」と話している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。