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2024年7月30日【事業資源】

ステランティス傘下の中国製EV、上海から欧州へ初出荷

坂上 賢治

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ステランティスNVが、株式の過半を投資して立ちあげた「リープモーター・インターナショナルJV( Leapmotor International JV / オランダ。アムステルダム / リープモーターとの合弁 )」は7月30日、自社製電動車( C10とT03 )の初期ロットを貨物船に積み込み、中国・上海から欧州へ向けて出荷したことを明らかにした。

 

ステランティスによると、今回の出荷製品は新エネルギー車( NEV / 2024年6月時点 )として中国国内で4番目の販売台数を誇ると述べ、また今車両出荷はリープモーターとステランティスによるパートナーシップ戦略にとって重要な節目にあたるものであり、持続可能なモビリティ製品を、欧州市場へ速やかに提供することを望む両社の共通戦略を踏まえて進められたとしている。

 

加えて今回、出荷された2台の電動車の「C10」と「T03」は、最先端の電動技術を背景に優れた走行性能、高いエネルギー効率、足の長い航続距離を持つモデルであると謳っている。

 

ちなみに中国市場に於けるC10は、BEV仕様と1.5リッターエンジンを搭載したエクステンデッドレンジ電気自動車( EREV )仕様が存在し、もう一方のT03は中国当地でもBEVとして販売されているAセグメントの小型5ドア車となっている。いずれの製品も欧州地域では、価格面を踏まえステランティスの傘下ブランドを補完する存在なるとしている。

 

 

ステランティスのカルロス・タバレスCEOは、「この度、C10とT03の欧州出荷を果たせたことは、両社(ステランティスとリープモーター)のパートナーシップにとって、予てより心待ちにしていた嬉しい門出となりました。

 

それは欧州の自動車ユーザーへ、革新的でありながら手頃なモビリティ・ソリューションを提供したいと望み、両社が長年話し合ってきたことが、ようやく実現へと漕ぎ着けたからです。

 

ステランティスが欧州の企業ブランドとして、長年温めてきたお客様からの信頼を糧に、リープモーターの革新性と高い品質が、欧州の自動車ユーザーにも広く受け入れて頂けるものと確信しています」と述べた。

 

( Leapmotor International JV / オランダのアムステルダム中国浙江省杭州市 / リープモーターとの合弁 )

 

一方で、リープモーター( Leapmotor/ 中国浙江省杭州市 )の創設者で会長兼CEOの朱江明氏は、「7月前半時点で、当社は中国国内で累計40万台以上のEVを販売しました。そんな中国は、世界最大のEV市場であり、日々最も過酷な生存競争が繰り広げられているマーケットです。

 

そうしたなかで当社の製品が中国のお客様からご贔屓頂いていることが、当社製品の価値を証明しています。また当初からC10とT03は、世界のお客様からの厳しい製品要求を満たせるよう設計・製造されており、両社のコラボレーションが、今後の成長を後押ししてくれるものと信じています」と語っている。

 

なおリープモーター・インターナショナルJVは、ステランティスの販売網を介して、欧州に行けるリープモーター車の販売店を2024年末段階で200拠点へ。更に2026年までには500拠点にまで拡大し、質・量共に手厚いサービス体制を敷く計画を進めているという。

 

今出荷は、両社が世界の電動車市場へ変革をもたらす長期戦略の始まりに過ぎず、今後3年間は、少なくとも毎年1車種以上の新型車が追加される予定だと結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。