フィアット・クライスラー・オートモビルズN.V.(FCA)とプジョーS.A.(PSA)の統合によって2021年1月16日に誕生したステランティスN.V.は3月5日(アムステルダム、3月3日発表)、2020年12月31日に決算を終えたFCAとPSAの通期業績を発表した。
各社の決算内容の概要は以下の通り。
<FCA>
◾️新型コロナのインパクトを受けてもなお、力強い業績を達成:
・調整済EBIT(利息及び税金控除前利益)は37億ユーロとなり、売上に対する率は4.3%
・純利益(調整済)は黒字の19億ユーロ
・自動車部門のフリーキャッシュフローは6億ユーロのポジティブ
◾️第4四半期に記録的な業績を達成
・第4四半期はグループと北米事業でいずれも記録的な業績を達成。
・EBIT(調整済)はグループが23億ユーロ、北米が22億ユーロとなり、EBIT率も8.2%と11.6%を記録。また、全てのリージョンとマセラティも黒字化。
・自動車部門のフリーキャッシュフローも39億ユーロと力強さを見せた。
<PSA>
◾️2020年度は自動車部門でコロナ禍の逆境を跳ね返す、7.1/%という高い営業利益率(調整済)を達成:
・自動車部門の営業利益率(調整済)*は通期で7.1%の34億ユーロ
・自動車部門の下期の営業利益率(調整済)は9.4%と記録的な高さ
・当期利益は22億ユーロ
・自動車部門のフリーキャッシュフローは27億ユーロ
・自動車部門の純財務ポジションは132億ユーロ
今回の決算について、ステランティスCEOのカルロス・タバレス氏は次のようにコメントしている。
「これらの数字は、強固で堅牢な財務基盤を持つ二社が統合したことを背景に、ステランティスの財務が健全であることを示唆するものです。今後、両社が達成しなければならないシナジー効果の最大化に向けて素晴らしいスタートを切ったといえます」
Carlos Tavares, Stellantis CEO
また、2020年9月に締結された修正版統合合意書の中で、統合後に10億ユーロを配当することが予見されているが、この総額10億ユーロの配当を取締役会は承認しており、2021年4月15日に開催される株主総会で決議される見込みだ。
◾️2021年度 市況概観:
北米 +8%、南米 +20%、ヨーロッパ +10%、中東及びアフリカ +3%、インドおよびアジア太平洋 +3%、中国 +5%
◾️2021年度 業績予測:
営業利益率(調整済)5.5%~7.5%(コロナ禍によるロックダウンが実施されなかったと想定した場合の予測値)
<決算発表カレンダー>
2021年度第1四半期決算短信:2021年5月5日(売上及び収益のみ公表)
2021年度上期業績発表:2021年8月3日(業績全体の公表)
2021年度第3四半期決算短信:2021年10月28日(売上及び収益のみ発表)
今回の決算内容はステランティスの連結決算ではない。
2021年3月3日の欧州中央時間午後3時半/米国東部標準時間午前9時半から電話及びウェブキャスト経由で、FCAとPSAの第4四半期業績、ならびに2020年度通期業績発表記者会見を開催。後刻、グループのウェブサイト(https://www.stellantis.com/en)に、会見の音声データが掲載される(英語のみ)。また、同ウェブサイト上には会見中に使用した資料も掲載される。