オペルの新型フロンテーラ ハイブリッド
ステランティス N.V.は先の傘下9ブランドで30のハイブリッドモデルを発売するという計画に則って8月14日(独リュッセルスハイム発)、オペルにも新世代48ボルトのハイブリッドユニットを搭載する。
搭載車のラインナップは、小型車のベストセラーであるオペル コルサからスタイリッシュなオペル モッカ、コンパクトクラスのオペル アストラとアストラ スポーツ ツアラー、そして最高級のオペル グランドランドSUV まで広域に及ぶ。
導入機構は傘下一連のハイブリッドであり、ハイブリッド率を高めてユーロ6e排出ガス基準を満たすために開発された74kW(100馬力)1.2リッターターボチャージガソリンエンジンに、21kW(最大出力28馬力/最大トルク55Nm)の永久磁石同期電気モーターと電動6速デュアルクラッチトランスミッションを連動させたもの。
先の100hp(205Nm)版のベースユニットが発揮する基本性能は、0~100km/h加速9.3秒、最高速190km/h。同等の従来型動力車と比較して燃料消費量とCO2排出量は、例えばコルサの場合、最大18パーセント(103g/km)と大幅に削減されると謳っている。なお136hp版(230Nm)も用意される。
それらの大きな特徴は、電動6速のデュアルクラッチトランスミッション( Dual Clutch Transmission、DCT )ケースに電動モーターとDCインバーターが収納されている( e-DCTトランスミッション )であること。これによりドライブトレインのサイズと重量がより軽量化された。これに432Wh (総容量890Wh) の48V リチウムイオン バッテリーが組み合わせた。
エンジンは冷間時から始動するが発進自体はモーターのみで行い、デュアルクラッチトランスミッションであるものの、アクセルペダルを操作することなく短距離を前進できる「e-クリープ」機能が採用されているため、渋滞時の便利機能は備えている。なお先の通りバッテリー容量は限られるものの、最大で1kmだけモーター走行ができる。
▲オペル コルサ ハイブリッド
▲オペル アストラ ハイブリッド
▲オペル アストラ スポーツ ツアラー ハイブリッド
▲オペル モッカ ハイブリッド
また高速道路などでの低負荷状況や下り坂で、ドライバーがアクセルペダルから足を離した場合、エンジン駆動が停止するなどのエコ効果で、燃費は21.7km/リットルを可能にする。
走行モードは、エコ(特に効率的な運転)、ノーマル、スポーツの3つの運転モードから選択でき、スポーツ モードでは、求められるパフォーマンスを常時確保するためガソリン エンジンが常に作動する。ドライバーは、いずれのモードで走っているか、バッテリーへの充電状態などをディスプレイを介して簡単かつ便利に監視できる。
最後にフロンテラを筆頭に、一連のモデルを対象にハイブリッドと並んで用意されると見られるエレクトリック(ピュアBEV)仕様は、113hpのモーターと44kWhの蓄電池を組み合わせWlLP暫定値で、おおよそ300kmレベルの航続距離を確保。こうしたBEVへの更なるロングレンジモデルの登場時期は、2025年を迎えてからとなる見込みだ。
今回、これらのクラスに新たにハイブリッドモデルを投入したステランティス陣営は今後、ハイブリッドモデルとBEVモデルの価格設定設定が、個別車種の販売比率の行方を左右する可能性が高い。
従って同社グループでは、近未来の消費市場の行方を占うべく双方車種に於いて、ハイブリッド並びにピュアBEVに対して、より戦略的な価格戦略を打ち出していく可能性もありそうだ。