損害保険ジャパンは8月23日、ウェザーニューズ社 と協業し、自動車ディーラー各店舗と同社の営業店を対象とした、雹災等による被害軽減に向けた実証実験を開始すると発表した。
1.背景
近年、北海道から東北の日本海沿岸域や北関東を中心とする内陸域で降雹による被害が多発。また、今年4月には兵庫県を中心に大きな被害も発生していると云う。なかでも自動車の損傷については、修理依頼が殺到し修理完了まで長期間かかるケースや、納車予定の自動車を納車できないケースが発生するなど、その対策が全国で課題になっている。
雹の発生は、その要因が多岐に亘るため、予測難度が非常に高いとされているが、損保ジャパンは今回、それら被害を回避・軽減させることを目的に、降雹予報を顧客のスマートフォンにいち早く通知する実証実験を、ウェザーニューズ社と実施する。
2.実証実験の概要
両社では、この実証実験を、趣旨に賛同する自動車ディーラー各店舗と損保ジャパンの営業店を対象に、9月から11月までの3カ月間行う。
この実証実験では、対象店舗の従業員のスマートフォンに、ウェザーニューズ社が提供する企業向けの気象情報「ウェザーニュース for business 」を導入し、降雹の危険が高まる30分から3時間前にアラートをプッシュ通知する。これにより、屋外に駐車されている自動車の屋内避難など、被害の回避行動との連動について検証していく。
なお、降雹予報は、36時間前から確認できるため、前日から対策を検討することも可能。また、台風や雨雲・落雷の接近などのアラート通知も行うことで、様々な自然災害からの被害の回避行動につなげていくと云う。
3.今後の展開
両社は、今回の実証実験の結果を踏まえ、自動車ディーラーに限らず、その他の法人や個人を対象とすることも含め、自然災害に関するアラートサービスを展開していくことを検討。また、損保ジャパンの雹災による保険金支払データをウェザーニューズ社のデータと連携させることで、降雹予測の精度向上が可能であるかについても検証していくとしている。
<ウェザーニューズ社について>
ウェザーニューズ社は、1986年創業の世界最大級の気象情報会社。航海や航空、鉄道、道路など交通分野のほか、建設、保険、農業、電力、小売、スポーツなど、世界50カ国の約2,600社に、気候変動の影響による土砂災害や台風、地震、洪水などの長期的なリスクから、日々のゲリラ豪雨や落雷などのリアルタイムな気象情報までを提供。また、個人向けに、スマートフォン用の天気予報アプリ「ウェザーニュース」(4,200万ダウンロード)を提供している。
損保ジャパンは、気候変動下に於ける持続可能な社会の実現に向け、同社とのパートナーシップ協業合意書を2021年12月に締結。お互いの知見や技術の共有・連携を通じて、新たな商品・サービスを社会に提供することで、社会全体への貢献と新たな価値創造を目指してきたいとしている。