損害保険ジャパンとプライムアシスタンスは2月22日、新たに「自動運転車向け遠隔見守りサポートアプリ」(以下「SOMPO自動運転見守りアプリ」)を開発した。
これは2021年1月に「塩尻型地域新MaaS×自動運転実証プロジェクト(塩尻型地域新MaaS×自動運転実証プロジェクト )」を実施した中で「SOMPO自動運転見守りアプリ」を活用。
より具体的には、遠隔型自動運転運行サポート施設「コネクテッドサポートセンター」(東京都中野区)から、長野県の塩尻駅周辺の区間で「複数台の自動運転車を対象に見守りサポート提供の実証実験」を行なったもの。
ちなみに「官民ITS構想・ロードマップ2020」では、2020年までに無人自動運転移動サービス実現の期待が示され、自動走行ビジネス検討会(経済産業省・国土交通省)では無人自動運転移動サービスの実現に「遠隔監視」が前提とされる。
そうしたなか損保ジャパンは、先の2018年9月に「コネクテッドサポートセンター」をプライムアシスタンスに開設。さらに2019年2月に自動運転システム開発のティアフォーおよび高精度三次元地図製作のアイサンテクノロジーと業務提携契約を締結。
自動運転サービスの導入を支援するインシュアテックソリューション「Level IV Discovery を行うなどを経て、これまで全国70箇所以上で自動運転実証実験に参画するなど、自動運転の社会実装に向けた取組みを進めている。
損保ジャパンとプライムアシスタンスは、「複数台の自動運転車の走行を遠隔で見守り、事故やトラブルの未然防止や発生時の被害軽減を図る。またそもそもこのサービス実現には、「車両から得られる情報から異常を検知し、該当する車両を特定するシステム」の開発が必要となる。
そこで損保ジャパンとプライムアシスタンスは、ティアフォーからAPI提供ならびに開発支援を受け、デジタル戦略部Sprintチーム(SOMPOホールディングスのデジタル戦略部に所属するDXアジャイル内製化組織)と共に、「SOMPO自動運転見守りアプリ」を開発した。
今回は、緊急時に能動的なサポートを行えるよう(事故の「予防」「監視・見守り」「補償」のうち「見守り」のサービスを進化させる)」サービス品質を高め、同事業化を目指す構えだ。
そんな「SOMPO自動運転見守りアプリ」の主な機能は以下の通りだ。
(1)複数台の走行車両に対する遠隔見守り
(2)走行地点の地図情報・走行車両の位置情報の取得
(3)異常検知(該当車両の特定・警告音)
(4)乗客、レッカー会社等との通話
システムの活用方法は1人のオペレーターが、同時に走行する複数台の自動運転車を遠隔地から見守り、必要となるサポートを迅速に提供する。より具体的には、自動運転車の走行中に事故やトラブルが発生した場合に、コネクテッドサポートセンターのオペレーター画面に異常検知アラートが出現。
この画面をワンクリックすることで「遠隔見守り画面」から「トラブルサポート画面」へ遷移し、自動運転車の状況を把握させると共に、オペレーターからは、能動的な乗客への呼びかけや、走行不能となった自動運転車のレッカー手配などを提供するという仕組みだ。
<画面イメージ>
実証は塩尻市、一般財団法人塩尻市振興公社、ティアフォー、アイサンテクノロジーをはじめとする「塩尻型地域新MaaS×自動運転実証プロジェクト」に参画する企業の支援を受け実施した。
(1)実施日 :2021年1月12日~2021年1月20日
(2)場 所 :コネクテッドサポートセンター(東京都中野区)および長野県塩尻駅周辺
(3)実施内容:コネクテッドサポートセンターから「SOMPO自動運転見守りアプリ」を活用して、①②の実証実験を実施
①走行する複数台の自動運転車に対する遠隔見守り・乗客とのコミュニケーション
②緊急時のトラブルサポートサービス
・異常検知により画面上でアラートが発生した車両の特定
・通話機能を活用し、乗客へ呼びかけ、レッカー会社を手配し該当車両を積載搬送
なお実証実験の様子は以下の通りだ。
今後は「SOMPO自動運転見守りアプリ」を活用した実証実験を継続し、2021年度中に機能の改善・拡充を図る。そのスキームは2022年度以降に施設内。2025年度以降に公道で走行する自動運転車の遠隔見守り監視で「SOMPO自動運転見守りアプリ」の実用化を目指す流れ。
また自動運転車のほか、自動搬送ロボットの遠隔見守りでの活用も視野に、コネクテッドサポートセンターにおける次世代モビリティ実装に向けた研究開発を進めていくとしている。