「ブガッティ東京( BUGATTI TOKYO )」から世界限定99台を予約販売へ
スカイグループ( SKY GROUP )は9月9日、自社傘下拠点の「ブガッティ東京( BUGATTI TOKYO )」で世界限定99台の「ブガッティW16ミストラル( Bugatti W16 Mistral )」の予約販売を開始した。( 坂上 賢治 )
ブガッティW16ミストラルは、シロン・スーパースポーツ・スリーハンドレットプラス( Chiron Super Sport 300+ )で採用されていた8リッターW16エンジン( W16気筒/1,600ps )を積むロードスターモデル。
そのデザインモチーフは、オランダ・南ホラント州に於ける事実上の州都デン・ハーグ所在の〝ルーマン博物館〟に今も展示されている1934年式の「ブガッティタイプ57ロードスター・グランドレイド」からインスパイアを受けたもの。
このクルマは先の8月、米カリフォルニアで開催された「モンテレー・カー・ウィーク( Monterey Car Week )」の〝ザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリング( THE QUAIL A MOTORSPORTS GATHERING )〟で初披露された。
同モデルの開発過程に於いてブガッティは、ポルシェの資本を受けたクロアチアのEV企業「リマック・アウトモビリ( Rimac Automobili )」と合併(昨年の2021年末)。「ブガッティ – リマック( Bugatti-Rimac )」となって以降は、装いも新たなパワートレイン新時代へと漕ぎ出すものと思われていたのだが、実際に登場したのは、伝統のW16エンジンを搭載した歴代最後のロードスターモデルとなった。
しかもそのエンジンスペックは、4連装ターボを組み合わせて最大出力1600ps、最大トルク163kgmを絞り出し、時速420km/hの高速性能を現実のものにする。
馬蹄型グリルに、専用設計のヘッドライトを組み合わせて彫りの深さを強調
車両のスタイリングは、ブガッティのデザインアイコンである馬蹄型グリルに、縦に長く配置された専用設計のヘッドライトを組み合わせて彫りの深さを強調。より立体的になった顔付きはそのままにエンジンへの最適なエアフローを確保するべく、オイルクーラーインテークはボディーサイドへ、エンジンエアインテークはキャビンのすぐ後ろのルーフへと意図的に分離された。
反対にフロントノーズの上面は、かつてのディーヴォ(Divo)を思わせる先鋭的なラインを描き、Aピラーを包み込むように湾曲したウィンドスクリーンがサイドウィンドウへ継ぎ目なく繋がるような意匠となった。
更にフロントガラスとサイドウィンドウの上端を結ぶラインは、そのままボディーサイドのエアインテークに続き、再び切り替えしてサイドウィンドウの下を通過し、その先にあるフロントのホースシューグリルにまで繋がっている。
車体後方は、ドライバーの視界を妨げる事のない流れるようなファーストバックスタイル。ルーフに設置された2つの新しいエンジンエアインテークは、近代のブガッティで初のオープントップモデル「ヴェイロン16.4グランドスポーツ( Veyron 16.4 Grand Sport )に由来するものとなっている。
ボディラインの最終エンドとなるリヤビューは、レーシングモデルのボリード(Bolide)を思わせるエックスラインのLEDテールランプを輝くブガッティロゴのバッチで繫げ、より印象的かつエレガントなアピアランスを持たせた。
V字型のフロントガラスが、これまでになかった特徴的なロードスターモデルに
一方のインテリアでは、シロンのデザインテイストを受け継ぎつつもブラックとイエローのデュオトーン基調を基本としている。後方に流れるような二重のエアロダイナミックヘッドレストと、V字型のフロントガラスが、これまでには無かった特徴的なロードスターモデルに仕上がる隠し味となっている。
この全く新しいロードスターモデルについてブガッティ・リマックのマテ・リマックCEOは、「ブガッティの伝説を受け継ぐW16エンジンを積む最後のロードゴーイングモデルとして、私たちはW16ミストラルを作る必要があると考えました。
と言うのは、ブガッティがこれまでに製造した車両の実に40%以上がオープントップモデルであり、それが今日まで世界中で並外れたパフォーマンスアイコンとしての地位を確かなものとしているからです。また、これまでシロンのモデルラインナップには、今日に至るまでロードスター自体が存在しなかった事も同プロジェクトに取り組む原動力になりました。
そこで、この印象的なエンジンの味わいを、全く新しいクルマで体感したいと望まれるお客様からの要望に応えて、W16エンジンの新たなストーリーを作り続けていく事にしたのです。それは1世紀以上続くブガッティ製オープントップモデルの新たな幕明けとなるでしょう。
一方で、ここで改めて当時の車両開発の過程を振り返る時、私達は、これほど刺激的で重要なモデルにどのような名前を付けるべきかを悩んでいた事を思い返しています。それはシロンを単に発展させたというだけではなく、自由やエレガンス、そして圧倒的なスピードを連想させるような名称が必要でした。
そうした中、ローヌ川流域から南仏のコート・ダジュールの華やかな街を吹き抜け、地中海に向かって吹き下ろす力強い北風〝ミストラル〟から、私達は新たな命名の着想を得ました。その名前の通り、このW16ミストラルは、これまでのオープンカーとは一線を画す性能を発揮します」と述べた。
美しいシルエットを作る車両デザインについては、全く新たな構想の基で取り組む事に
またそのスタイリングついてデザインディレクターの担うアヒム・アンスハイト氏は、「W16ミストラルの絶対性能を損なう事なく、より美しいシルエットを作り出すために、車両デザインについては、全く新たな構想の基で取り組む事となりました。
つまり既存のモノコックをAピラーの上で切断して、オープントップの新しいデザインとした訳ではないのです。それは史上最高のパワートレインを搭載する最後のロードゴーイングモデルであり、ブガッティの歴史を語る上でも重要な意味を持つクルマとなるからです。
私たちデザインチームは、そんなプレッシャーを感じながらも、ブガッティの様々な美しいロードスターモデルに並ぶ珠玉のロードスターに仕立てるべく、様々な腐心を重ねました。
その象徴となったのがブガッティタイプ57ロードスター・グランドレイドです。デン・ハーグのルーマン博物館に展示されているこのモデルは、後方に流れるような二重のエアロダイナミックヘッドレストと、V字型のフロントガラスを持つエレガントなロードスターです。
これをモチーフにW16ミストラルは、1934年式ロードスターを象徴する内装色を取り入れました。それはトリュフブラウンのニュアンスを含んだ温かみのあるブラックに、淡いイエローを組み合わせたエットーレ・ブガッティ氏のオマージュカラーでした。
ブラックとイエローのカラーコンビネーションは時を超えたブガッティの伝統
エットーレは、タイプ41ロワイヤル( Type41 Royale )を筆頭に自身が所有するモデルの多くにブラックとイエローのカラーコンビネーションを選びました。ブガッティを愛する人々にとって、この組み合わせは、そんなほぼ100年もの時を超えたカラーとなります。
一方でデザインに係るハイライトは、こうしたイメージ提案だけに留まりません。ヘッドレストの後ろにある新しいラムインダクション・エアスクープは、当初から厳しい横転試験を念頭に置いて開発され、それぞれが特注のカーボンファイバー構造になっており、万一の横転時にも車の全重量を支える事が出来ます。
そして何よりも、この新しい吸気レイアウトは8リッターエンジンの豊かな吸気音と4つのターボチャージャーのブローオフバルブが空気を排出する音をより大きく感じる事が出来るものであり、それらはステアリングを握るオーナーのドライビング体験をより豊かなものにします。
これは、見た目のデザインを超えた機能と融合した他車では例を見る事のないW16ミストラル独自のドライビングエクスペリエンスとなるでしょう」と結んでいる。
そんなデザイン・絶対性能・希少性に於いて創業当時から続くブガッティ製ロードスターのレガシーを現代に引き継ぐW16ミストラルは500万ユーロ( 約7億万円 )のプライスタグが付けられている。
ブガッティ W16 ミストラル“BUGATTI W16 MISTRAL”諸元
エンジン :W16気筒エンジン(7993cc)+4ターボ
最大出力 :1600ps
最大トルク:1600Nm(2250-7000RPM)
駆動方式 :4WD
最高速度 :420km/h(*リミッター作動)
ブガッティ 東京(BUGATTI TOKYO)
所在地 :〒106-0047 東京都港区南麻布5-10-37
営業時間:10:00-18:00 ※事前予約制
定休日 :なし(夏期休暇・年末年始を除く)
TEL :03-3447-1909
URL : http://www.sky-g.org