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2024年6月25日【新型車】

SKYグループ、ブガッティ・トゥールビヨンの予約販売へ

坂上 賢治

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SKY GROUP(スカイグループ)は6月25日、フランス製ハイパーカーブランドの「ブガッティ Tourbillon(トゥールビヨン)」の予約販売をブガッティ 東京(BUGATTI TOKYO)を介して開始した。

 

ブガッティは2004年、8.0リッター・クワッドターボW16から1,001psを絞り出すハイパースポーツカー「Veyron」でハイパフォーマンスカーの概念を書き換え、更に2016年にはパワーユニットを1,500ps化したChironへ引き継がれきたが今回、新設計のパワーユニットを搭載したTourbillonで、歴代のクルマづくりを再定義した。

 

 

そのパワートレインは、コスワースの協力を得て開発された排気量8.3リッターのV16自然吸気エンジンと3基のモーターによるハイブリッドシステムとなっており、内燃ユニット地単体重量を252kgに抑えつつ1000PSの最高出力を発揮。

 

これにフロントアクスルへ2基、リアアクスルに1基の電動モーターを搭載。油冷式の25kWh・800Vバッテリーを介して3基合計の最高出力で800PSを記録。この総計1800PSのパワーをトルクベクタリング機能で制御する。なおバッテリー搭載車の特性を活かし、60kmの距離を電気のみで走行することもできる。

 

 

車両骨格には、バッテリーモジュールを強度部材として取り込んだ上で、T800カーボンコンポジット製のモノコックシャーシを採用。前後のフレームには低圧薄肉アルミ鋳造と3Dプリンターの技術を用いた複合ブレースが組み込まれた。

 

サスペンションは、鍛造アルミ部材を用いたマルチリンク式。リアにはAIが3Dプリントで生成した中空翼型アームを備え、空力性能の向上を図った。

 

ブレーキ構造は、ブレーキ・バイ・ワイヤ・システムを介したカーボンセラミックディスクを用いたブレーキ機構に。タイヤサイズは前285/35R20、後345/30R21の組み合わせとし、これにミシュラン・パイロットカップ スポーツ2が装着される。またエアロダイナミクス性の追求では、車速400km/h以上での走りを視野にキャビン後方から始まるクラッシュコンポジット製の大型ディフューザーを新採用している。

 

搭載機能を大きく改めたこのTourbillonについて、ブガッティのマテ・リマックCEOは、「ブガッティTourbillonの開発は、115年に亘るブガッティの歴史と、“ブガッティに匹敵するほど美しいものは、もはやない”というエットーレ・ブガッティ自身の言葉を再解釈しつつ仕上げられたものです。

 

 

世界で最も美しいクルマとして名高いType 57SC Atlantic、史上最も成功したレーシングカーのType 35、そして史上最もラグジュアリーカーへの追及したひとつであるType 41 Royaleのような過去のアイコン達は、私たちのインスピレーションの3本柱となっています。

 

美しさ、パフォーマンス、そしてラグジュアリーが、ブガッティTourbillonの設計思想を形作ったのです。そして過去のアイコンのように、単に現在のためでも、未来のためでもなく、この新型車は“Pour l’eternite(永遠のために)”なのです」と述べた。

 

 

車名は、ブガッティを象徴するW16エンジンを搭載しないがゆえに過去の伝説的なブガッティのレーシングドライバーの名前を使用する伝統は取らず、その代わりに、ブガッティの故郷のモルスハイムで、天才時計師が考案したウォッチの「Tourbillon」という名が選ばれた。そんなTourbillonは、200年以上経った今でも時計の最高峰として崇められているという。

 

そんなブガッティTourbillonは、現在、テスト段階に入り、2026年の顧客納車に向けてプロトタイプの走行テストが繰り返されている。車両は合計250台が製造される予定で、価格は380万ユーロから。手作業による組み立ては、W16エンジンを搭載したブガッティの最終モデル、BolideとW16 Mistralに続き、モルスハイムにあるブガッティ・アトリエで行われる予定だ。

 

 

ブガッティ 東京 (BUGATTI TOKYO)
所在地 :〒106-0047 東京都港区南麻布5-10-37
営業時間:10:00-18:00 ※事前予約制
定休日 :なし(夏期休暇・年末年始を除く)
TEL   :03-3447-1909

 

 

グループ概要
設立: 1985年9月
代表者: CEO 笠井 成人
関東本社: 〒106-0047 東京都港区南麻布5-2-32(SKY GROUPヘッドオフィス)
URL: http://www.sky-g.org

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。