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2025年1月6日【新型車】

SHM、CES2025で「AFEELA 1」を発表

坂上 賢治

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オンライン予約受付を米国カリフォルニア州にて本日より開始

 

ソニー・ホンダモビリティ(SHM)は、CES® 2025で「AFEELA」ブランドとして販売する最初のモデル「AFEELA 1」(アフィーラ ワン)を発表した。

 

AFEELA 1は、米国オハイオ州の最先端工場で生産、カリフォルニア州における2025年内の正式発売と2026年中旬の納車開始を予定している。車両の仕様は、装備やカラー設定の異なる2トリム展開で、価格は特定の機能と装備の3年間無料サブスクリプションを含む89,900米ドルからとなる。全額払い戻し可能な予約金200米ドルでのオンライン予約受付を同日より開始した。

 

 

SHMは、人とモビリティの関係を再定義することで移動体験に革新をもたらすことを目指している。その最初のモデルとなるAFEELA1は、先進のソフトウェアと高性能なハードウェアとの融合がもたらすモビリティの知能化により、人とクルマとのインタラクティブな関係性を追求している。人に寄り添う新しいモビリティとしてAFEELA1はクリエイターとの共創やソフトウェアアップデートを通じて進化し続けていくとした。

 

なおAFEELA 1には、運転負荷軽減と安心・安全な移動体験を提供する先進運転支援システム(ADAS)およびモビリティとのコミュニケーションを可能にする対話型パーソナルエージェントが搭載される。

 

室内には、多彩なアプリやエンタテイメントコンテンツを楽しめる独自のサウンドシステムとディスプレイが、それぞれのシートに応じて最適に配置される。クルマとしてのダイナミクス性能は、ドライバーとの一体感を追求して設計されており、軽快かつ安定感のある操縦性を実現し上質な乗り心地を乗る人すべてに提供する。

 

 

エクステリア・インテリアは、細部にまで調和のとれた普遍性を追求したデザインで、内装には原料の一部に植物由来原料や再生材を使用する高品質な機能性素材を採用。更にAFEELA 1は、OTA(オーバー・ジ・エアー)により機能改良および拡張が可能だ。

 

車両発表の壇上でソニー・ホンダモビリティの水野泰秀 代表取締役会長 兼 CEOは、「ソニー・ホンダモビリティは、モビリティの知能化により人との関係を進化させ、移動体験に革新をもたらします。

 

この度、自動運転時代に向けて開発したAFEELA 1をCES2025の場でお披露目できることを大変うれしく思います。AFEELA 1は、先進のソフトウェアと徹底的に磨き上げられたハードウェアを組み合わせたバディ(相棒)と呼べる存在です。お客様のご期待に応え、安心・安全で快適な移動体験を提供していきます」と述べた。

 

 

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車両の仕様等の概要は以下の通り

 

運転負荷軽減と安心・安全な移動体験を提供するADAS「AFEELA Intelligent Drive」
SHM独自のADASであるAFEELA Intelligent Driveは、AFEELA1に搭載されている40のセンサー(カメラ、LiDAR、レーダー、超音波センサー)が周囲をセンシングして収集するデータと、最大800 TOPSの計算能力を持つ電子制御ユニット(ECU)を駆使し、AI技術によりPerception(認識)、Prediction(予測)、Planning(行動計画)の各工程で高度な運転支援を提供する。

 

 

出発地点から目的地点での駐車まで、エンド・ツー・エンドの経路でドライバーの運転負荷を軽減。またAFEELA 1が常時モニタリングしている周辺環境および運転状況は、Unreal Engineによりビジュアル化されたADASビューやマップとしてディスプレイに表示され、ドライバーに安心・安全な移動体験を提供する。

 

対話型パーソナルエージェント「AFEELA Personal Agent」
AFEELA 1の室内において、ドライバーは、AFEELA Personal Agentとの自然な対話を通じて様々な車載機能を音声でコントロールできるだけではなく、エージェントとの会話を楽しんだり、行動計画の提案を受けたりすることもできる。ドライバーにパーソナライズされたエージェントからの能動的なコミュニケーションが、移動時間と室内空間に快適さとエンタテイメントをもたらす。

 

エンタテインメント体験に最適化された室内空間
AFEELA 1の室内は、「Mobility as a Creative Entertainment Space」をコンセプトに設計されている。乗る人それぞれのシートに最適化された独自のサウンドシステムとディスプレイで、エンタテインメントパートナーの提供する多彩なアプリやコンテンツを楽しむことができる。

 

ソニー・ホンダモビリティ独自のノイズキャンセリング技術・知見を融合させた圧倒的な静粛性と最適に配置されたスピーカーとソニーの立体音響技術(360 Spatial Sound Technologies)を駆使して没入感のある音場で高品質なオーディオ体験を提供する。なおSHMは、社外のクリエイターやデベロッパーとの共創により、走行・車両データを活用したモビリティならではのエンタテインメント創出にも取り組んでいる。

 

人とモビリティとの一体感を追求したダイナミクス性能
人とモビリティの一体感を細部にまで追求し、ドライバーの思い通りにクルマが動く軽快で安定性のある操縦性など、洗練されたAFEELA 1ならではのダイナミクス性能を実現させた。

 

ロボティクス研究に基づく姿勢制御を応用してモーター、ブレーキ、サスペンションを統合的に制御し、様々な路面環境でも最適な乗り心地と軽やかなハンドリングを提供する3Dモーションマネジメントシステムや、車内エンタテインメントに集中できる遮音・制振性能を搭載し、乗る人すべてに上質な体験を提供する。

 

 

細部にまで調和のとれた普遍性を追求したデザイン
デザインは、乗る人の心地よさを最優先に考え、車室を包み込む「オーバル」をコンセプトに、インテリアおよびエクステリアの細部にまで調和のとれた普遍性を追求している。

 

インテリアは、最上の移動空間を追求した洗練された空間づくりを、エクステリアは、装飾的な線や誇張された面の抑揚を徹底的に削ぎ落とした滑らかで、硬質感と緊張感のあるサーフェスを特徴とした。

 

またインテリアにおいては、乗る人が触れる箇所に、原料の一部に植物由来原料や再生材を使用する高品質な機能性素材を採用(インテリア表面積ベースで約70%採用)。ボディ鋼板やこれまで難しかったシャシーの一部にも再生材を使用している。

 

トリム、価格、充電等について
先の通りAFEELA 1は、「AFEELA 1 Origin」と「AFEELA 1 Signature」の2トリム展開となる。両トリムともにAFEELA Intelligent Drive、AFEELA Personal Agent、厳選されたエンタテインメントコンテンツ、車両をデジタルでカスタマイズできる様々なテーマセットおよび5Gデータ通信を3年間無料のサブスクリプションで利用できる。

 

 

価格は、AFEELA 1 Originが89,900米ドルから、AFEELA 1 Signatureが、21インチホイール、リアエンタテインメントシステムおよびC-CMS(センターカメラモニタリングシステム)を装備し、102,900米ドルから。

 

エクステリアカラーは、「Tidal Gray」、「Calm White」および「Core Black」の3色展開。AFEELA 1 Signatureでは、エクステリアカラー3色と「Black」および「Gray」のインテリアカラーから自由なコンビネーションを選べる。

 

充電は、テスラ社のスーパーチャージャーネットワークが利用できる。航続距離は最大300マイルを目標に開発中。また購入後も安心して長く利用できるよう、高品質なサポートサービスも提供していく。より詳細なAFEELA 1の概要は、ウェブサイト( https://www.shm-afeela.com/ )を閲覧されたい。なお日本市場におけるAFEELA1の納車開始は2026年内を予定しており、詳細については改めて発表する予定としている。

 

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これに併せて米国内で「AFEELA」ブランドを体験できる新拠点「AFEELA Studio & Delivery Hub」を2025年後半に米国カリフォルニア州トーランス市およびフリーモント市にオープンすることも発表した。同拠点では、AFEELAに採用されている先進技術やイノベーションを、実車を通じて体験できる予定としている。

 

AFEELA Studio & Delivery Hubでは、AFEELAブランドとして販売する最初のモデル「AFEELA 1」の実車が展示され、専門知識を持つスタッフが来場者を迎える。また同拠点では、今後AFEELA 1の試乗サービスも提供していく予定。AFEELA 1の正式発売後には、顧客に車両を納車する機能も拡充させる予定という。

 

 

同拠点を迎え入れるトーランス市長のGeorge K. Chen氏は、「ソニー・ホンダモビリティのAFEELA Studio & Delivery Hubをトーランス市に迎えることを誇りに思います。同社の車両に統合された先進技術は、市のイノベーションとスマートモビリティに対するコミットメントを象徴するものです。同社の成功と、AFEELAが私たちのコミュニティにもたらす優れた運転体験を支援できることを楽しみにしています」と述べた。

 

 

またフリーモント市長のRaj Salwan氏は、「フリーモント市は、ソニー・ホンダモビリティが新しいAFEELA Studio & Delivery Hubを私たちのコミュニティに設立することを誇りに思います。同社がフリーモント市を選んだことは、市がクリーンテックおよびオートテックの主要な拠点であることを再確認させるものです。フリーモント市は、米国内で最も高いEV所有率を誇るコミュニティの一つであり、市内の道路で多くのAFEELAを見かけることになるでしょう。フリーモント市一同、同社の成功を支援し、今後何年にもわたりパートナーシップを強化していくことに全力を尽くします」と語った。

 

これを受けてソニー・ホンダモビリティの水野泰秀 代表取締役会長 兼 CEOは、「トーランス市ならびにフリーモント市のご協力のもと、それぞれの地域にAFEELA Studio & Delivery Hubをオープンできることを大変嬉しく思います。この新しい施設は、お客様がAFEELAブランドと出会い、コミュニケーションを育む場となり、新しいモビリティとの旅路を始める拠点=”ハブ“となります。最先端の技術と感性を融合させたこの施設で、来場された皆様にAFEELAの実車を間近にご覧いただき、ブランドが目指す感動体験を提供します」と話している。

 

AFEELA Studio & Delivery Hubの所在地は以下の通り:
トーランス市:19301 Prairie Ave, Torrance, CA 90503
フリーモント市:6100 Stevenson Blvd, Fremont, CA 94538

 

 

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更にソニー・ホンダモビリティは、販売車両のメンテナンス体制を拡充させるべく米国最大級の車両板金修理店舗網を展開するCrash Championsと提携することも発表した。この提携に基づき、SHMAは認定するCrash Championsの店舗にて、AFEELAの修理・メンテナンスをワンストップサービスとして提供する予定となった。

 

提携においてSHMAは、Crash Championsの「I-CAR Gold Class®」資格を取得した店舗網を活用し、高品質なサービスを提供する。

 

ちなみに米国では、車両購入後に修理、メンテナンス、キズ・ヘコミの板金・塗装修理などを行う場合、お客様がそれぞれの専門修理サービス店に持ち込むことが一般的だ。一方、SHMAとCrash Championsの提供するAFEELA専用のサービスでは、一つの店舗で全てのサービスを受けることができるシンプルかつ利便性の高いサービス体験の実現を目指す。

 

以降もAFEELAの修理・メンテナンスサービスは、SHMAが認定するCrash Championsの拠点で提供する予定。また、サービス予約からお支払いまで全て専用のモバイルアプリで完結し、リアルとデジタルを融合させたサービスを提供する。さらに詳しいAFEELAの修理・メンテナンスサービスは、AFEELAの米国内正式発売と合わせて提供する予定としている。

 

<Crash Championsについて>
業界において急成長中のブランドの一つであるCrash Championsは、米国最大級の車両板金修理店舗網を展開するマルチショップオペレーター(MSO)。同社は、高級車および高級EV向けの修理センターである「Crash Champions LUXE | EV Certified」ブランドを含む、米国38州・650店舗以上でサービス提供している。Crash Championsは「2023 EY Entrepreneur of the Year Midwest」を受賞したMatt Ebertによって、1999年にシカゴで設立された。事業詳細情報は、https://www.crashchampions.comを閲覧されたい。

 

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。