新電元工業は11月17日、車載の電動パワーステアリング(EPS)などに向けたモータ駆動用パワーモジュール「MG048シリーズ」から新たに2品種の発売した。モータ駆動用のMOSFETとシャント抵抗・サーミスタ等の周辺部品と共に高放熱モジュールに集積し、軽量・コンパクト化に向けた機電一体のEPSの実現に貢献する。
世界的に強化される排ガス規制への対応と自動運転の実現に向けて、車載制御システムの電動化・高機能化が加速している。自動車の制御システムには協調制御や自動運転を見据えた機能安全から冗長設計が必要になっているが、部品点数の増加、ECUの大型化が懸念され、EPSにおいては電動化による燃費向上だけでなく軽量・コンパクト化に向けた機電一体が進んでいる。
新製品はモータ駆動用のMOSFET、シャント抵抗、サーミスタ、スナバ回路をモジュールに集積することで、ガラスエポキシ基板(FR4)上にディスクリートMOSFET(TO-263)と周辺部品で構成したモータ駆動回路に対し実装面積が約70%削減可能。さらに高放熱モジュールによる低発熱(チャネル温度約73℃低減)による放熱器系の小型化と合わせて、モータ駆動システムの小型・コンパクト化が可能になり、機電一体のEPSの実現に貢献した。MG048A150004Aは12V車(乗用車)、MG048B100006Aは24V車(商用車)に対応し、用途は車載、電動パワーステアリング(EPS)や、補機系モータ駆動などがある。
■特長
・MOSFET 6個、シャント抵抗、サーミスタ、スナバ回路内蔵
メインスイッチ素子のパワーMOSFETと受動部品の合計14個で構成されるモータ駆動回路を一つのモジュールに集積化することで部品点数を削減し、さらに実装面積がディスクリート構成に対して約70%削減 (Fig.1)が可能。
・高放熱絶縁タイプ パワーモジュール
高放熱基板を使用したパワーモジュールにより、MOSFETのチャネル温度が約73℃低減 (Fig.2)し放熱器系の小型化が可能。
また高放熱基板は内部素子と絶縁されているため、外付け放熱フィンを取り付ける際はディスクリート素子で必要だった絶縁処理が不要で製造工程の簡略化にも貢献する。
・信号側、パワー端子側を分離した端子レイアウト
信号端子とパワー端子をパッケージ左右に分離しPCBのパターン配線の最適化に貢献する。(Fig.3)
・鉛フリー