独・シェフラーは独時間の3月23日、3社のモビリティ企業がシェフラー製インホイールモーターを組み込んだ車両開発を進めていると発表した。これらは、道路清掃車、貨物バン、除雪車などで、行政など地域社会のCO2ゼロに大きく貢献するものになるという。
シェフラーオートモーティブテクノロジーズのマティアス ジンクCEOは「当社のインホイールモーターは、推進力と制動に必要とされる全てのコンポーネントがホイールリム内に組み込まれている点が大きな特徴です。
従って比較的小さな車体であっても、乗員や貨物のためのスペースを充分に確保でき、都市交通に於ける機能性や操作性にみならず、公共性にも優れている点も優位点です。
しかも低騒音の電動モーターを開発し組み込むため、走行音そのものも静かで、この結果、街路近隣の居住者に対する加害性が極めて少なく、住宅地であっても長時間稼働する事が出来ます。
そんなインホイールモーターユニットを搭載した小型モビリティを市場投入する最初の企業のひとつがJungoで、同社は「シェフラーのインホイールモーターは街路清掃、除雪、廃棄物収集など、市街に於ける小型モビリティに最適な動力源です」と話している。
またシェフラーでEモビリティ部門を率いているヨッヘン・シュレーダー博士は「我々の動力開発に係る技術は、未来の新市場を開拓する立役者でもあります。
今後は街路だけに留まらず、教育機関のキャンパス内、工場、物流センター、港湾、空港、大規模な駐車施設などで、更に多くのモビリティとして採択・利用される事になるでしょう。
またこれらのモビリティは、決まったルート上で利用される傾向が強く、予測される航続距離と充電時間を推し量るという意味に於いても適しています。
併せてもうひとつの重要な利点は、駆動モーターが車輪のハブ内に組み込まれるゆえに、メンテナンスの機会が限られるモビリティであっても長寿命性を訴求する事が出来る点です。
実際、我々のインホイールモーターは、電動モーターとギアボックス、機械式ブレーキがホイールベアリングの周りにコンパクトに配置される独自の構造となっています。
このコンパクトな設計は、バッテリーの搭載場所だけなく、貨物の積み込み場所などのスペースユーティリティ面でも高い訴求力を持ち合わせています。
ちなみにギアボックスを含むインホイールモーター自体は、非常にコンパクトで、比較的大出力を求められる場合であっても14インチ程度のリム内に綺麗に収まります。一方、インバーターはハブ内に統合されておらず、車両の利用用途に合わせて、適した場所を選んで搭載すれば良いスタイルです。
なお機能的には1台のインバータで、1台または2台のインホイールモーターを制御します。モーター自体の出力は7kWから26kWの範囲で最適化が可能。最大発生出力は1輪あたり60kWも可能です。
この際最も重要な要素は、インホイールゆえに各ホイール毎に個別に制御出来る点があります。これにより、冬の道路状況でも、スリップする事無く坂道を走破する事が出来ます」と結んでいる。