国土交通省は7月12日、日野自動車の排出ガス・燃費試験の不正を受けて、国内大型車メーカーに、同様の不正が無いか調査・報告するよう指示していたことについて、フォルクスワーゲングループのスカニアジャパンから、試験に於いて問題があることが判明した旨の報告を受けたと発表した。
国交省は、日野自動車の排出ガス・燃費試験の不正事案を受けて、3月4日、トラック・バスを製造・販売する他の大型車メーカーなど7社に対し、同様の不適切な事案の有無等について調査・報告するよう指示。4月11日に、6社から“問題なし”の報告があったことを公表した。
今日(7月12日)になって、調査に時間がかかっていたスカニアジャパンから、試験に於いて問題があることが判明したとの報告を受け、その主な内容について以下の通り公表した。
1.調査内容
・認証取得時の長距離耐久試験とそれに基づく劣化補正値の算出や燃費試験の測定方法等について、自動車型式認証関係法令の規定や目的に沿わない測定方法・データ処理等の不適切な事案の有無。
・調査の結果、不適切な事案等があった場合には、その内容の詳細。
2.スカニアジャパンからの主な報告内容
・大型トラック・バスに搭載されているエンジン4機種に係る型式指定申請(平成26年9月~30年9月)に於いて、スウェーデンのスカニア(Scania)本社が長距離耐久試験を行い算出した、排出ガス劣化補正値を提出したが、この長距離耐久試験に於いて、以下の問題があることが判明。
[1] 5,000km、4万km、8万km、12万km、16万km、20万km、22万kmを走行した時点に於いて、排出ガス測定を2回以上行う必要があるところ、1回しか測定していなかった(4機種)。
[2] 初回は、5,000km(±500km)で排出ガス測定を行うべきところ、6,100kmで排出ガス測定を行った(2機種)。
・規定の内容を十分理解していなかったこと等が原因であり、故意性はない。
・排出ガス測定値が十分低いことから、基準適合性に問題はないと考えられるが、実証試験にて問題ないことを確認するまでの間、自主的に出荷を停止。
・国内の該当エンジンの搭載車両は1,155台。
3.国土交通省の対応
・報告内容の精査、実証試験の確認等を行い、その結果を踏まえて適切に対応する。
■(スカニアジャパン)「排出ガス・燃費試験の実態」の社内調査結果について:https://www.scania.com/jp/ja/home/about-scania/newsroom1/press-releases/scaniajp-pressrelease-220712.html
■スカニアジャパン:https://www.scania.com/jp/ja/home.html