しかも2021年以降は、その比率がさらに大きく引き上げられていく流れにある。もしもこの期間で、各メーカーのEV生産量が未達となってしまえば、中国政府へ相応の罰金を支払わなければならないのだ。
2019年に掛けて中国のEV量産は、自動車販売台数が過去半年を超えて減速傾向が続いているなか、メーカー各社にとってコスト負担も大きく、EV大量生産に伴う利益確保は望み薄だ。
しかも中国のマーケット下で、純電動車以外の補助金政策は既に今年で75%が削減される。そして来年には廃止へと向かう予定だ。
今後この中国政策の方針に従っていくならば、例えば当地でこれまで大量の車両を販売してきたゼネラルモーターズの場合、2019〜2020年の期間に於いて、およそ27万台に迫る純電動車を中国マーケットに供給しなければならなくなる。
そのためには、今の世界レベルを大きく凌駕する高性能かつ、低価格なバッテリーの確保が必要だ。もちろんインバーター製造についても技術的な飛躍が欠かせない。
そうしたなかで仮に今後、2030年位までの限られた時期であったとしても、もしもトヨタ製の電動技術が「清華大学-トヨタ連合研究院」で、中国自動車業界のデファクトスタンダードになれるような可能性が見えてくるとしたらどうなるか。
トヨタの戦略次第では、互いに当地で覇権争いを繰り広げることになるライバルの米国車・ドイツ車の成長戦略を打ち砕く可能性すら、見えてくるかも知れないのだ。
日本政府とトヨタ、そして中国政府との接触は、予てより折に触れ取り沙汰されてきたゆえに、この共同研究体制が中国行政のヒントの一端になれることが出来るのであるなら、新たな日・独・米・中の自動車覇権を巡る政治的駆け引きが繰り広げられることになるのかも知れない。
精華(清华)大学
https://www.tsinghua.edu.cn/publish/thu2018/index.html