日産自動車は5月14日、2017年度の通期決算を発表した。
第3四半期までの特別項目、在庫調整、価格動向悪化の影響を、第4四半期に一部挽回し、2017年度通期は、5,748億円の営業利益を確保。売上高は11兆9,512億円、売上高営業利益率は4.8%となった。
また、営業外利益と米国の税制改正の影響等が、営業利益の減少を補い増益を生み出した結果、2017年度通期の当期純利益(注1)は、前年比12.6%増の7,469億円となった。
[2017年度通期財務実績]
中国合弁会社に持分法を適用した2017年度通期の財務実績は次の通り。
2017年度には国内の完成検査問題、2016年度にはカルソニック・カンセイ株の売却等、特別項目が含まれる。
2017年度通期の平均レートは、1USドル110.9円、及び1ユーロ129.7円を使用している。
また、中国合弁会社を比例連結した会計基準では、2017年度通期の連結営業利益は7,424億円、当期純利益(注1)は7,469億円となった。
[グローバル販売状況]
新中期計画「Nissan M.O.V.E. to 2022」の初年度にあたる2017年度通期のグローバル販売台数は、前年比2.6%増の577万台と、過去最高に。
「ニッサン インテリジェント モビリティ」をリードする「ノートe-POWER」と新型「日産リーフ」が国内販売を支え、前年比4.8%増の58万4,000台となった。
会計年度が暦年ベースの中国では、販売台数は前年比12.2%増の152万台に達し、市場占有率は5.6%。「エクストレイル」と「シルフィ」等の貢献、ヴェヌーシアブランドの伸長が販売をけん引した。
また、米国では、159万台の販売を記録し、市場占有率は9.2%に達した。
ロシアを除く欧州では、英国市場での全需の低下及びクロスオーバーセグメントでの競争激化の影響により、前年比4.6%減の65万2,000台、市場占有率は3.6%となった。
一方、ロシアにおける販売台数は前年比12%増の10万5,000台に達した。
アジア・オセアニア、中南米、中東、アフリカをはじめとするその他市場の販売台数は前年比1.3%増の81万9,000台となった。
[2017年度配当]
2017年度の年間配当は、前年比10.4%の増配に相当する一株当たり53円を支払う見込み。
[2018年度通期見通し]
2018年度通期のグローバル販売台数については、592万5,000台を見込む。
発売間もない「セレナe-POWER」、新型「日産リーフ」、「ダットサン クロス」、「インフィニティ QX50」をはじめとする新型車が、今年度の台数増に寄与、さらに「アルティマ」、「シルフィ ゼロ・エミッション」、「テラ」等の新型車の投入も、2018年度の売上増に寄与する見込み。
中国の合弁会社に持分法を適用した2018年度通期予想は、以下の通り、東京証券取引所に届け出をした。
1USドル105円、及び1ユーロ130円を前提としている。
また、2018年度は、前年比7.5%の増配に相当する一株当たり57円の配当を支払う見込み。
注1)親会社株主に帰属する当期純利益
注2)2013年度から中国の合弁会社 東風汽車有限公司の連結方法が変わり、持分法が適用されている。同会計基準では、連結当期純利益に変化はないものの、連結売上高と連結営業利益には東風汽車の数値は含まれなくなる。
■決算の詳細は、以下のページから資料のダウンロードが可能
http://www.nissan-global.com/JP/IR/FINANCIAL/