三菱ふそうトラック・バス(以下、MFTBC)は5月28日、小型トラック「キャンター」が、オーストラリア(以下、豪州)で発売50周年を迎えたことを発表した。
発売開始から50年を経て、販売実績が7万2,700台以上となった「キャンター」は、豪州で小型トラックの代表的なモデルとなっていると云う。
国内向けの2トン積み小型トラックT720型に端を発し、“優雅で軽快な馬の足取り”をイメージした名称が与えられられた「キャンター」は、1963年3月に誕生。その販売地域は、60年代から、豪州をはじめ、インドネシア、台湾、ペルーなど、世界各地に拡大された。
そして昨年、豪州において、小型セグメントで18.4%のシェアを記録。また、FUSOブランドとしてキャンターとeCanterのみを販売する欧州で、10トン以下のトラックにおいて26%のシェアを達成した。
豪州でのキャンター販売開始は1971年。当時、同国市場では、車両総重量3.5トン/95馬力のモデルが販売された。また、発売から6年が経過した1989年には、ワイドキャブのモデルをラインアップに追加。その後、1989年には4×4モデルが導入され、頑丈さと敏しょう性を兼ね備えたモデルとして、ニューサウスウェールズ州消防局等で活用されたと云う。
豪州向けの現行モデルは、3.5トンから8.5トンまでの幅広い車両総重量と、現地での架装メーカーによる様々なボディ構成をラインアップに備え、衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)、車両安定性制御装置(ESP)、車両逸脱警報装置(LDWS)などの最新の先進安全装置も標準装備。全てがMFTBCの川崎工場から完成車として輸出され、ダイムラー・トラック・アンド・バス・オーストラリア(本社:オーストラリア・ビクトリア州)が卸売・販売事業を統括している。
またMFTBCは今年3月、豪州市場に電気小型トラックの「eCanter」を投入することを発表。豪州において、キャンターは新たなステージを迎えることとなった。
※タイトル画像:1989年に豪州に導入された「キャンター」の4×4モデル。