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2019年11月29日【アフター市場】

ミシュランガイド東京2020、11月29日から販売開始

坂上 賢治

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 日本ミシュランタイヤ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ポール・ペリニオ)は11月26日、東京都港区のホテルで東京エリアの飲食店・レストラン・ホテルなどを厳選・紹介する最新版「ミシュランガイド東京2020」のセレクションの概要と書籍を発表した。(坂上 賢治)

 

 もはや食通でなくても誰もがお馴染みのミシュランガイドだが、同媒体は、例えば料理であれば、ミシュランの正社員である覆面調査員が特定のレストランを足繁く訪れ、あらかじめ決められた公正かつ厳正な基準に照らして審査を行い、その結果をまとめ上げたガイドブックだ。

 

 

その評価基準は「料理のためだけに旅する価値がある店」を三つ星。「遠回りしてでも訪れる価値がある素晴らしい料理がある店」を二つ星。「近くに訪れたら行く価値のある優れた料理がある店」を一つ星として判断するもの。

 

 

 また、このように評価すべき銘店とは別に、「価格以上の満足感が得られる料理(良質な食材で丁寧に仕上げており、6000円以下で楽しめる)」が食べられる店をビブグルマンを冠したメニューとして新たに導入するなどガイドブックとしての価値を今なお進化させている。

 

ちなみにそんな〝ミシュランガイド東京〟は、アジアで初めてのミシュランガイドとして2007年に発行され、今回の2020年の最新版となって掲載されている飲食店・レストランは464軒。そのうち星が付いたのは226軒となっている。

 

 

より具体的には、三つ星のレストランが11軒(二つ星からの昇格が1軒)。二つ星のレストランが48軒(新規掲載が1軒、一つ星からの昇格が2軒)。一つ星のレストランが167軒(新規掲載が19件)。さらに先に説明したビブグルマンが238軒(新規掲載が35軒)掲載されており、いわゆる〝東京版〟は数あるミシュランが発行してきた地域ガイドのなかでも、世界で最も星が多い多い都市となっている。

 

 そんな東京の銘店を網羅したミシュランガイド東京が発売されて以降、実は延々と三つ星を維持し続けている店舗は限られる。その店舗は、港区の日本料理店「かんだ」、品川区のフランス料理店「カンテサンス」、目黒区のフランス料理店「ジョエル・ロブション」の3店舗のみ。

 

 

また港区の日本料理「かどわき」は、2009年の初掲載以降二つ星を維持してきた銘店なのだが、掲載12年目を迎えた今年、初の三つ星評価を獲得している。ほかには2018年に一つ星で初掲載された港区のイタリア料理「プリズマ」も二つ星に評価を上げた。

 

 その一方で、2019年版まで三つ星として掲載されていた「すきやばし 次郎 本店」「鮨 さいとう」は一般予約が不可となったためミシュランガイドの掲載対象外となっている。ミシュランガイド東京は2020年版となった今回も着実に進化している訳だ。

 

加えて日本では、今年10月から消費税率が8%から10%に上がったことから、ビブグルマンのこれまでの価格設定(税込表記であることが、そのポイント)では掲載できなくなる店舗が増えてしまうため、価格基準を「5,000円以下」から「6,000円以下」に変更した。

 

 

 そんなミシュランガイド東京について、日本ミシュランタイヤを率いるポール・ペリニオ代表取締役社長は、「東京は星が付つ飲食店・レストランの数が226軒と、今年も世界で最も一星の多い都市となりました。その理由は良質な食材が集まる都市であること。さらに、それを調理する素晴らしい腕前の料理人も世界から集まっていること。今後も東京は、美食都市として世界をリードし続けるでしょう。

 

また女性シェフの飲食店やレストランが年々増えてきていることにも期待しています。2020年に東京を訪れるであろう多くの観光客にも、ミシュランガイドを利用して素晴らしい体験をしていただけることを心から願っています」と、歴史あるフランス・レンヌ第1大学・日仏教経営大学院で日本の経営学を学んだ同氏らしいコメントをしている。

 

 

 ちなみに以下は余談のひとつだが、出版記念パーティーに先立ち、実施された記者会見で、記者たちから幾つかの質問があり、そのなかで〝料理の世界で一廉の人物になるべく夢見る若者が、覆面調査員になるにはどうすれば良いか〟という記者の質問に対して、「当社のガイドブックの調査員は、匿名で予約を取り、自らで料金を支払い、食事の後は理論的かつ詳細なレポートを上げるなど、想像を超える沢山の仕事量と、ガイドブックの編集方針に沿った厳正な判断が求められる大変な仕事です。

 

そんな覆面調査員たちは全員当社が雇用している社員です。しかし平素から特別に募集枠を決めて、定期的にガイドブックの覆面調査員を募っている訳ではありません。しかし中には、自らが手を挙げ、当社宛に熱意を持った書面などを通してご応募頂けるケースがあり、そうした場合に新たな採用枠として起用を検討されるケースも中にはあります」と話していた。

 

 最後にミシュランガイド東京2020(ISBN:978-4-904337-36-3 C2026)は、11月29日に3180円(税別)で発売予定。また一部のまたセレクションは、ミシュランガイド公式Webサイト「クラブミシュラン(Club MICHELIN)」でも公開される。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。