埼玉工業大学は12月8日、新型コロナウィルス感染拡大の防止対策として、卒業研究のゼミ学生に向けて自動運転の実証実験の現場から、Zoomを使用してリアルタイムの双方向通信による「走るオンライン・ゼミ」を10月に開催したことを発表した。
このオンライン・ゼミは、埼工大が戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期「自動運転(システムとサービスの拡張)」の参加機関として、羽田空港地域において2020年度2回目の実証実験を行った際に実施された。
「走るオンライン・ゼミ」では、自動運転の実証実験で走行する車内から、同大学自動運転技術開発センター長の渡部教授が自身のノートPCを通じて学生へ走行の様子をLIVE中継しながら解説を加え、実証実験の現場のリアルな状況を生きた教材としてリモートで学生に指導を行なった。工学部情報システム学科の画像認識工学研究室の4年生が、それぞれ自宅や研究室に居ながら、Zoomで参加した。
学生は走行中の様子をLIVE中継の動画で視聴し、実験の目的や課題などの研究資料の説明を受けた。また視聴した学生はチャットを通して実験の課題解決策のアイデアや、提案、質問といったコメントを寄せるなど、オンラインでインタラクティブに参加した。
埼玉工業大学では、新型コロナウィルス感染症の感染防止と学生の安全と健康を守るため、2020年度前期授業において5月14日よりオンラインによる遠隔授業を実施。卒業研究の指導をはじめ、ゼミもオンラインでの実施が主体になっている。Zoomを使用したリアルタイムの双方向による遠隔授業を中心に、オンデマンド方式をはじめ、いくつかのツールを組わせて教育効果を高めているなかで、今回のオンライン・ゼミは、実証実験の現場にリアルタイムで参加(視聴)するというオンラインだからこそできる貴重な機会になったという。