英ロールスロイス・モーターカーズは英国時間の3月21日、創始者チャールズ・ロールス氏が追い求めた絶対スピードの象徴として誕生した〝最後のレイス(生産終了)〟を記念し、ブラック・バッジ・レイス・ブラック・アローを発表した。
1930年代(最初のレイスは1938年から1939年に製造された)に世界最速記録を打ち立てたレイスについて、ロールス・ロイス・モーター・カーズのトルステン・ミュラー・エトヴェシュCEOは、「レイスの生産終了を記念してリリースする世界限定12台の同車は、ロールス・ロイスが新たなEV時代に乗り出す直前に於いて製造した同シリーズ最後のV12クーペとなります。
レイスは、英国グッドウッドで生まれた歴代車両の中でも、国際社会に対して大きな影響力を与えたモデルの1つです。ファントムやゴーストとは異なり、パフォーマンス向上に重点を置いたレイスは、かつてのロールスロイスに対するステレオタイプの認識を根本的に覆し、初めて若く新しい顧客層をロールス・ロイスにもたらしたクルマです。
その影響力は極めて幅広く、音楽、映画、アート、ファッションシーンに於いて幾度となく取 り上げられており、その足跡は過去の様々な場面で、歴史の証人として記録・裏打ちされています。
そんなドラマチックさを併せ持つレイスのファストバックシルエットは、このクルマならではの独創性を示すものとなっており、V12エンジン搭載のブラック バッジ レイスを送り出した2016年以降、革新的かつパワフルなモデルの象徴として、その地位を欲しいままにして来ました。
そんな最後のV12レイスを送り出すにあたって、グッドウッドのデザイナーとエンジニアは、ユタ州ボンネビル・ソルト・フラッツで行われた世界記録への挑戦を成功させた内燃エンジン搭載車〝サンダーボルト〟の歴史を永遠に語り継ぐモデルとして仕立て上げられています」と話している。