2018年11月末のロサンゼルスオートショー (Greater Los Angeles Auto Show)でピックアップとクロスオーバー型の2台のプロトタイプEVを披露した「リヴィアン・オートモーティブ(RivianAutomotive)」は、それ以降もアマゾン(Amazon.com, Inc.)等からの複数回の資金調達ラウンドを積み重ね、先の7月10日に25億ドルの資金を調達した。(坂上 賢治)
そしていよいよ同社のR1T、R1S並びにアマゾンの配送車両が、来年半ば発売に照準を合わせ、この7月25日からイリノイ州の自社工場に於いて試験生産に着手した。この間の2019年11月22日、米テスラがロサンゼルスでピックアップトラック型のEV、サイバートラックのアンヴェール・イベントを実施。同じライトトラック市場に向けて大きなインパクトを与えている。
一方でリヴィアンは当初、独自のオリジナル車であるR1T、R1Sの2車を今年度末までに市場投入する予定であったのだが、今春のコロナ禍の影響で工場設備を刷新する計画が遅れてしまい、車両の本格製造の予定がほぼ1年間後退することになり、米国で話題のピックアップトラック型EVは、図らずも同時期に消費市場に登場する見通しとなった。
ちなみにリヴィアンは、マサチューセッツ工科大学(MIT)のスローン自動車研究所(Sloan Automotive Laboratory)で学んだロバートJスカリンジ氏(Robert・J・Scaringe)が、英マクラーレンのマーク・ヴィネルス氏を迎えて2009年にメインストリーム・モーターズ(Mainstream Motors)という社名で米ミシガン州プリマスで創業。社名を2011年にリヴィアン・オートモーティブと改めたもの。
なお先に説明したリヴィアンの製造拠点は、去る2015年7月27日に三菱自動車工業(当時の代表取締役社長は相川哲郎氏)が撤退を決めたクライスラーとの合弁拠点である「ミツビシ・モーターズ・ノース・アメリカ・インク(MMNA/イリノイ州ブルーミントン・ノーマル市所在)」から敷地並びに建屋をそっくり取得したものだ。またこの工場では、R1T、R1Sの製造に続き、アマゾンから受注している電動配達バン10万台も、それらの製造ラインの稼働に追う形で生産されていく予定となっている。