ダイハツ工業は3月10日、インドネシア現地法人であるアストラ・ダイハツ・モーター社(Astra Daihatsu Motor/以下、ADM) が、Aセグメントの5人乗りコンパクトハッチバック車である「AYLA(アイラ) 」を約10年ぶりにフルモデルチェンジし、10日に発売したことを発表した。
アイラは、トヨタグループの新興国小型車事業の一環として、トヨタ自動車へのOEM供給やトヨタブランドでの輸出も予定されている云う。
2013年発売の初代アイラは、ダイハツが日本の軽自動車やコンパクトカーで培ってきた技術やノウハウをベースに、インドネシアの自動車ニーズを徹底的に追求して開発した商品。経済成長に伴い拡大する新規自動車購入層向けのエントリーカーとして、インドネシアのエコカー基準である「LCGC(Low Cost Green Car)」への適合や高い燃費性能、廉価な価格設定で、これまでに累計約27万台が販売されたと云う。
今回のフルモデルチェンジでは、「The Exciting City Car(ザ・エキサイティング・シティ・カー)」をコンセプトに、最新の1.2LエンジンとCVTを採用した他、今年2月にマレーシアで発売された新型AXIA(アジア)と共通の“DNGA Aセグメントプラットフォーム”を取り入れ、操縦安定性や乗り心地といった走行性能や燃費などの基本性能を大幅向上、またエントリーカーに相応しい価格も実現させたと云う。
また、デザインは「パワフル&アグレッシブ」をテーマに、より存在感あるスタイリングに進化。コンパクトなボディサイズの中でも広くて使いやすい室内空間や荷室スペースに加え、初代同様にLCGCにも適合させている。
なお、徹底した現地化にこだわり、車両の現地生産をはじめ、現地調達の拡大や、研究開発体制の強化、人材育成などを積極的に進めているダイハツは、従来日本から輸出していた1.2LエンジンやCVTを、2022年後半以降現地生産に切り替え、1.2LエンジンをADM、CVTを2021年設立の「ダイハツ・ドライブトレーン・マニュファクチュアリング・インドネシア(DDMI)」で生産。新型アイラのみならず、複数のADM生産車種に搭載していると云う。
[新型アイラの主な特長]
1.DNGAの採用で基本性能を大幅向上
最新の1.2Lエンジン(WA型)を採用すると共に、1.0Lエンジン(KR型)についても性能向上を実施。さらに、CVT(D-CVT)やDNGA Aセグメントプラットフォームを取り入れることで、燃費性能を従来より約16.5%(従来型の1.0L 4AT仕様と新型の1.0L CVT仕様での比較/ダイハツ調べ)向上しつつ、操縦安定性や乗り心地などの走行性能や、安全などを含めた基本性能を大幅に向上。
2.廉価な価格設定
良品廉価にこだわったクルマづくりにより、若年エントリーユーザーでも求めやすい価格を実現。
3.デザインの刷新&使い勝手の良いパッケージング
「パワフル&アグレッシブ」をテーマとした、より存在感あるデザインへ進化。コンパクトなボディサイズながら、大人5人がしっかり乗ることができる室内空間と、小型スーツケースが4個入る荷室スペースを実現。
[主要諸元]
– 駆動方式:FF (Front engine, Front wheel drive)
– エンジン:1KR-VE(1.0L・NA) /WA-VE (1.2L・NA)
– トランスミッション:CVT(D-CVT)/5MT
– 乗員定員(名):5名
– 全長×全幅×全高(㎜):3760×1665×1515
– 希望小売り価格(ADMによる参考価格):1億3400万ルピア~1億8990万ルピア(約120万円~約170万円/1ルピア=0.0089円(3月8日為替レートで換算))
– 生産工場:ADMカラワン車両工場