ポルシェは5月10日、世界で11番目のポルシェ エクスペリエンス センター ( PEC ) をシンガポールに新設すると発表した。ちなみに同発表はシンガポールの観光産業カンファレンス2024の開催期間中に於いて、シンガポール貿易関係担当のグレース・フー大臣の登壇場面で明らかにされた。
そんなPECは、ポルシェに関心を持つステークホルダーにスポーツカーブランドとしての価値と、その製品がもたらすエキサイティングな体験を提供するもの。現在、同施設はライプツィヒ、シルバーストン、アトランタ、ル・マン、ロサンゼルス、上海、ドイツのホッケンハイムリンク、イタリアのフランチャコルタ、東京の他、2024年にはトロントに最新PECが完成する予定となっている。
今回明らかにされたシンガポールの新拠点は、世界で最も混雑するハブ航空のひとつ、チャンギ空港から20分という至近距離にある立地で、目下建設予定のクロスアイランド線沿いのアビエーションパークMRT駅にも近いことから、完成の暁(あかつき)には、チャンギ地区に活気を与える役割も果たす。
より具台的には施設の中心に、地球環境に配慮した全長2キロメートル超のダイナミックなハンドリングトラックを用意。2ドアおよび4ドアのポルシェ製スポーツカーの優れた性能を堪能できる理想的な遊び場が設けられる。併せて同施設には、最先端のアフターセールス施設も備える予定としており、これは世界のPEC施設としては初のものとなる。
つまりPECシンガポールには、新車生産に係る2030年の炭素中立を実現するという目標の下、テーマ別の製品展示、ポルシェ ミュージアムの伝説的なアーカイブ、没入型レーシングシミュレーター、家族全員が愉しめるスリル満点のアクティビティ、東南アジア地域内の自動車愛好家向けのドライビング体験施設も提供され、全ての人にとって忘れられない体験を約束する施設になるとした。
ポルシェ AGで販売およびマーケティング担当取締役を務めるデトレフ・フォン・プラテン氏は、「もはやポルシェ エクスペリエンス センターとは、ポルシェとというクルマ単体を体験するものではなく、ユニークなブランド体験と製品体験を融合したものです。
そんな世界で11番目の体験拠点が、起業家精神息づくシンガポールで建設できることを大変嬉しく思います。私たちは新たな施設でスポーツカーとの忘れられない出会いを生み出せることを目指しており、若い世代にインスピレーションを与え、好感度を高められることを心から願っています」と述べた。
一方でポルシェ アジア パシフィックの最高経営責任者であるハンネス ルオフ氏は、「シンガポールで開催された一連のイベントの成功に続き、ポルシェは、新たな目標達成を目指し心躍らせています。
今回の取り組みは、当社独自のブランド価値を広く多様な方々へ提供するという当社の姿勢を反映するだけでなく、繁栄する東南アジア市場の玄関口としてのシンガポールの重要な役割を強調するものでもあります。
それらを踏まえ私達は、新しいポルシェ エクスペリエンス センター シンガポールが家族全員が楽しめる包括的な体験を確実に提供できる施設になれるよう尽力していきます」と述べ、東南アジアのハブとしてのシンガポールの戦略的重要性を強調した。