ポルシェジャパンは6月9日、ポルシェカレラカップジャパン(PCCJ)の競技車両である「911 GT3カップ」(タイプ992)の購入申し込みを開始した。
タイプ992の911 GT3カップは、現行型911である992世代をベースにした最初のレーシングカーで、ワイドなターボ仕様のボディを備えたワンメイクカップ用マシン。先代を25PS上回る375kW(510PS)の最高出力を発生しながらも合成燃料の使用が可能なため、レース条件下でのCO2排出量を大幅に削減することができる。
911 GT3カップの特徴のひとつが、最適化されたエアロダイナミクスと、印象的な力感あふれる外観だ。全幅は先代のリア幅を28mm上回る1,902mmで、冷却空気のインレットがホイールの前に追加されている。さらに911 GT3カップはフロントアクスルも大幅にワイドになり、フレアフェンダーの追加によってフロントアクスルの寸法が1,920mmになっている。
また同時に、空力ダウンフォースを大きく増加させている。これは、大型リアウイングを備えたリアスポイラーとレースに適合されたフロントエプロン(フロントリップスポイラーと戦略的に配置されたセパレーションエッジ)の組み合わせによるもの。「スワンネック」マウントを備え11段階の調整が可能なリアウイングは、連続したウイング下のエアフローを実現する。
車両重量は、スチール製セーフティーセルへのストラットの追加などにより約35kgの増加(乾燥重量1,260kg)した。
サスペンションでは、リアはプロダクションモデルと基本的に変更されていないが、フロントは、ポルシェの現在のトップレーシングモデルである911 RSRと同様に、ダブルウィッシュボーンとユニボールベアリングによって制御される。ショックアブソーバーも、919ハイブリッドと911 RSRから最先端のバルブテクノロジーを採用。911 GT3カップに完全電気機械式パワーステアリングが初めて導入され、油圧ポンプと関連の油圧ラインが不要になった。
自然吸気レーシングエンジンは、初代カップカーと変わらず搭載。ドライサンプ潤滑方式を備えた高回転ユニットの水冷式4リッター水平対向6気筒エンジンは、先代の7,500rpmより高い8,400rpmで最高出力の375kW(510PS)を発揮する。レブリミットには8,750rpmで達し、6,150rpmで470N・mの最大トルクを発生。Bosch製MS 6.6電子制御エンジマネジメントシステムも装備されている。
■希望小売価格(消費税込)
¥34,650,000