新しい潜在カスタマーとポルシェブランドの接点をつなぐ。さらに拠点は木更津へ
ポルシェジャパン(本社:東京都港区、社長:ミヒャエル・キルシュ)は7月9日、ポップアップストア「Porsche NOW Tokyo(ポルシェ・ナウ・トウキョウ)」オープン会見をオンライン方式で開いた。フル電動スポーツカー「タイカン」の日本投入にあわせ、同ストアを新しい潜在カスタマーとの接点の場に活用する。(松下 次男)
キルシェ社長は同ストアについてポルシェがグローバル展開するリテールコンセプトをベースに「e-モビリティの取り組みを紹介する拠点になる」と述べるとともに、タイカン投入関連の投資を日本で積極的に展開する考えを表明。2021年夏には木更津市に試乗などが楽しめす体験型施設を開設することも明らかにした。
ポルシェジャパン初のポップアップストア「Porsche NOW」は新しい潜在カスタマーとポルシェブランドの接点をつなぐ拠点であり、ポルシェがグローバル展開する期間限定のリテールコンセプトだ。
これまでにドバイ、アテネ、台北などに開設され、東京はこれに続くもの。キルシェ社長は東京について「オリンピックが開催されるなど、重要な拠点だ」と強調した。
あらゆる問合せに応えるポルシェプロ常駐。国際展開の期間限定リテールコンセプト
オープンしたポルシェ・ナウ・トウキョウは、ガラスを全面に採用した開放感のモダンなレイアウトで、カジュアルでリラックスした空間を醸し出す。店内にはフル電動スポーツカーであるEV(電気自動車)「タイカン」を含む車両3台を展示するほか、急速充電器のポルシェターボチャージングステーションを設けた。
さらにポルシェモデルが楽しめるVR(仮想現実)体験スペースを配置するとともに、ポルシェのあらゆる問い合わせに対応する「ポルシェプロ」が常駐する。
ポルシェジャパンのミヒャエル・キルシュ社長
ポルシェ・ナウ・トウキョウを運営するのは「イー・ビー・アイ・マーケティング」(荒川由紀代表取締役)で、店舗所在地は東京都江東区有明1丁目3-25。ショールームの広さは約289平方メートルだ。
同ストアは7月12日から一般公開し、8月31日までの期間限定でオープンする。また、当面の間は、新型コロナウイルス感染予防対策として入店制限などを実施するという。
またストアオープンと並んで、公表した新型タイカンの日本での展開については、ポルシェ・ナウでの展示に続き、11月頃までに全国の店舗で展示できる見通し。8月末には新型車フェアも予定。
タイカン日本投入に合わせ、ターボチャージングステーションを東名大に設置
さらにタイカンに対応する独自の充電インフラネットワークを展開する方針を示した。
タイカンの充電モデルは最大150キロワット級出力のチャデモ規格の急速充電器「ターボチャージャー」と、自宅で利用できる8キロワット級の普通充電器「モバイルチャージャー」の2モデルがあり、急速充電器は24分で搭載バッテリーの80%(走行距離300キロメートル分)まで充電できる。
また、東京、名古屋、大阪に急速充電器を1か所に2基ずつ設置した「ポルシェターボチャージングステーション」を設置する計画。設置個所は東京が4か所、名古屋がヒルトン名古屋地下駐車場、ナゴヤセントラルガーデン第1駐車場、大阪がリンクスウメダ地下駐車場、あべのハルカス地下駐車場。それぞれ2020年中に間接する予定だ。
ポルシェジャパン・プロダクト&プライシングマネージャーのアレキサンダー・クワース氏は昨年11月に日本で公開したタイカンの予約プログラムの集計について、45%が「新規」ユーザーであり、95%が「ガソリンエンジン車のオーナーである」ことを明らかにした。
タイカンはポルシェの伝統あるデザインをモチーフにしたスポーツカータイプのEVで、911より低重心に仕上げているのが特徴。また、通常のEVの倍800ボルト電圧システムを採用し、高速充電に対応するとともに、車両のコンパクト化を実現している。
日本での小売価格(消費税込み)はタイカン4Sが1448万1千円、タイカンターボが2023万1千円、タイカンターボsが2454万1千円。