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2024年8月16日【新型車】

ポルシェ、「911ターボ50イヤーズ」の予約受注を開始

坂上 賢治

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911ターボの歴代モデルを彷彿とさせるデザイン

 

ポルシェジャパンは8月16日、911ターボ誕生50周年を記念した限定モデル「911ターボ50イヤーズ」の予約受注を同日から全国のポルシェ正規販売店で開始する。

 

911ターボ50イヤーズは、パフォーマンス向上と高級素材を組み合わせたモントレーカーウィークで初公開される特別仕様車。初代911ターボがデビューした年にちなみ、先代911ターボSをベースにした特別なモデルを1,974台生産・販売する。

 

 

その仕様は、歴代の911ターボを彷彿とさせるインテリアとエクステリアの仕上げが、時代を超えた911の伝統を裏打ちするものとなっている。

 

かつて1974年に登場したタイプ930のポルシェ911ターボは、世界中のレースを席巻した917/10および917/30のターボ技術を市販のハイパフォーマンススポーツカーに導入したモデルだった。

 

 

今回のモデルは、2019年に発表された911ターボSをベースとする911ターボ50周年記念モデルとしての再解釈を試みたもの。

 

例えば、標準装備のサイドビニールグラフィックは、1973年のフランクフルトモーターショーで発表されたポルシェ911ターボの前身であるポルシェ911 RSRターボの歴史的なカラーリングにインスパイヤされた。

 

またポルシェターボ専用カラーのターボナイトも初めて911に採用した。このターボナイトは、リアエンジンカバー、燃料タンクキャップ、ポルシェクレストのインレイ、更には“Turbo 50”のモデルロゴにもコントラストカラーとして使用されている。

 

 

リアウイングブレード、リアエプロン、ミラーベース、エアインテークトリムに採用されているアンスラサイトグレーも歴史へのオマージュとなっているもの。リアエンジンカバーグリルのバッジには、ターボチャージャーのアイコンと1974-2024の西暦があしらわれている。

 

1970年代の時代精神を思い起こさせるインテリア

 

ドアを開くと、LEDドアプロジェクターが車の横の地面にターボチャージャーの映像を投影。911ターボ50イヤーズには、ターボナイトの911ターボSエクスクルーシブデザインホイールが標準装備されている。

 

911ターボ50イヤーズのインテリアにもターボの歴史が色濃く反映される。ポルシェ911ターボ初期モデルへの特別なオマージュとして、アイコニックなマッケンジータータンがシートカバーのセンターパネルとインテリアドアパネルを飾る。

 

 

インテリアに於けるターボナイトアクセントでは、シートベルト、スイッチ類、デコレーティブステッチ、ブラックレザーのデコレーティブインレイ付トリムストリップ、GTスポーツステアリングホイールのポルシェクレストが含まれる。

 

また、ブラックブラッシュアルミニウム仕上げのドアキックプレートには“Turbo 50”ロゴのイルミネーション、アダプティブスポーツシートプラスのヘッドレストには同ロゴの刺繍、左側リアシートの背面にも“Turbo 50”ロゴが配される。

 

 

グローブボックス上には、“Turbo 50”ロゴとリミテッドエディション番号が刻まれたアルミニウム製記念プレートが付く。Aピラー、サンバイザー、ルーフライニングのトリムはパンチングRace-Tex製。ダッシュボードには、専用デザインのアナログ式ポルシェデザインサブセコンドクロックが装備される。

 

併せてレザーの追加装備とタータンチェックのデザインエレメントがアニバーサリーモデルをさらに引き立てる。ダッシュボードトリム、グローブボックス、シートバックレストのインレイにはクラシックパターンを採用。

 

ステアリングホイールには歴史的なポルシェクレストが取り付けられており、センターコンソールの収納ボックスにはレザーにエンボス加工された“Porsche Exclusive Manufaktur”ロゴが備わる。メーターパネルの文字盤とスポーツクロノクロックはグリーンで仕上げられる。

 

 

ヘリテージデザインパッケージで更なる歴史を刻むことも

 

歴史にインスパイアされたオプションの50イヤーズ・オブ・ターボヘリテージデザインパッケージは、1970年代の911ターボモデルを彷彿とさせる数々の専用デザインと装備でアニバーサリーモデルを補完。

 

なおヘリテージデザインパッケージのベースカラーは、アベンチュリングリーンメタリックだが、911の標準カラーとPTSプログラム塗装カラーの両方が用意される。

 

 

その他でヘリテージデザインパッケージの構成要素のひとつは、0から99までの個別に選択可能なカーナンバーが付いたロリポップ、“50 years of Turbo”ロゴ、および“Porsche”ロゴの3つの要素で構成されるホワイト(サテン仕上げ)の高品質なデコレーティブグラフィックがある。一方でミニマルな外観を好む場合は、グラフィック要素の一部または全部を省くことができる。

 

フロントボンネット、およびブリリアントシルバーとホワイト(サテン仕上げ)で塗装されたスポーツクラシックホイールのセンターキャップには、1964年の歴史的なポルシェクレストがあしらわれる。リアの“Turbo 50”と“Porsche”のロゴはゴールドだ。

 

 

一方、技術的には、ポルシェ911ターボ50イヤーズは、2019年から生産されている911ターボSをベースにしているため、可変タービンジオメトリー(VTG)ツインターボを備えた3.7リッター水平対向エンジンは、最高出力478kW(650PS)、最大トルク800N・mを発生。

 

車両重量は1,640kgで、パワーウェイトレシオは2.52kg/PS、911ターボ50は静止状態から100km/hまで2.7秒で加速し、200km/hまでの加速タイムは8.9秒。8速デュアルクラッチトランスミッション(PDK)と、完全可変トルク配分電子制御式リアディファレンシャルロックを含むポルシェトルクベクトリングプラス(PTVプラス)を備えたアクティブ4WDのポルシェトラクションマネジメント(PTM)によってパワーがホイールに伝達される。

 

 

歴代ターボをオマージュしたユニークなアニバーサリーモデル

 

ブラックテールパイプ付のスポーツエグゾーストシステムは標準装備。また車高を10mm低く設定するポルシェアクティブサスペンションマネージメント(PASM)スポーツサスペンションとフロントアクスルのリフトシステム、ポルシェダイナミックライトシステムプラスを含むLEDマトリックスヘッドライトも標準装備される。標準のPCCBブレーキシステムのブレーキキャリパーはブラック仕上げだ。

最後にポルシェデザインタイムピースとして、911ターボ50イヤーズのオーナー専用に、アニバーサリーモデルへのオマージュとして911ターボ50イヤーズクロノグラフが用意される。

 

これはCOSC認定のフライバック機能付きポルシェデザインムーブメントWERK 01.200を搭載。自動車と同様に、この時計も1,974本の限定生産だ。

 

 

ターボナイトのエレメントを配したブラックの文字盤は、ダッシュボード上のクロックを再現。透明なケースからは、911ターボ50のホイールと同じスタイルの巻き上げ式ローターが見え、チタン製ハウジングに刻印されたリミテッドエディション番号は、車両のリミテッドエディション番号に対応している。

 

ブラックの車両用レザーにターボナイトのデコレーティブステッチを施したストラップは、フォールディングクラスプを備える。こちらのクロノグラフには、ヘリテージデザインパッケージと組み合わせた特別バージョンも用意されている。

 

911ターボ50イヤーズ価格(2024年8月16日現在)
車種_トランスミッション_ハンドル_希望小売価格(消費税込)
911ターボ50イヤーズ_8速PDK_右/左_¥36,420,000 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。