ポルシェAGは9月23日、自社の監査役会を再編成した。その理由は今後予定されているIPOが理由だ。同社は新たな委員会設置に併せ、執行委員会のメンバーを削減する。( 坂上 賢治 )
また再編した監査役会にミカエラ・レ・ディベレック・レミ氏( Micaela le Divelec Lemmi )、メリッサ・ディ・ドナート・ロース氏( Melissa Di Donato Roos )、ハウケ・スターズ氏( Hauke Stars )を迎える予定。その一方で、ヒルトルート・ヴェルナー氏( 既に2022年1月末 )、ハンス・ペーター・ポルシェ氏、トーマス・シュマール氏は監査役会を離れた。
この再編成についてポルシェAGの監査役会会長を務めるヴォルフガング・ポルシェ博士は、「有能なメンバーを3名獲得出来た事を喜ばしく思います。レミ氏は高級品業界に精通した専門家で、ロース氏とスターズ氏はテクノロジー業界の専門家です。
私は、彼らが建設的な姿勢と持ち前の有能さを活かしポルシェの監督委員会の仕事に従事。そんな彼らの助言によって、新生ポルシェの新たな船出に弾みが付く事を確信しています」と述べた。またヴォルフガング・ポルシェ博士は、退任するメンバーに対し監査役会への献身的な仕事に感謝の意を表した。
なお新たなメンバーは、先の監査役会会長が紹介した通りであるが、より具体的にはハウケ・スターズ氏はIT領域を担うフォルクスワーゲングループ ボード オブ マネージメント( Volkswagen Group Board of Management )のメンバー。
スターズ氏は元々2012年から2020年まで、フランクフルト証券取引所の運営および関連する金融サービスの提供を行うドイツ取引所( Deutsche Börse )の執行委員会のメンバーで、現在は他の監督委員会や諮問委員会の役職も務めている。
イタリア人のミカエラ・レ・ディベレック・レミ氏は、最近までイタリアの高級ブランド、サルヴァトーレ・フェラガモ( Salvatore Ferragamo )のCEOを務めていた人物。それ以前は、グッチ(Gucci)の取締役会のメンバーを長年務めていた。また現在はコーヒーマシンメーカーのデロンギの非常勤取締役を含む監査役会のメンバーでもある。
米国生まれのメリッサ・ディ・ドナート・ロース氏は、2019年からビジネス顧客向けのLinux製品を開発・販売するドイツのオープンソースソフトウェア企業Suseの最高経営責任者を務めている。それ以前は、IBM、Oracle、SAPなどのテクノロジー企業で管理職を務めてきた人物だ。