ポルシェAGは5月7日、カイエンの新型モデル「カイエンEハイブリッド」を発表した。
カイエンの新型プラグインハイブリッド(PHV)モデルは、3リッターV6エンジン(250kW/340PS)とエレクトリックシステム(100W/136PS)により、340kW/462PSのシステム最高出力を発生。アイドリングをわずかに超える低回転域で、700N・mの最大トルクが得られると云う。
また、0-100km加速は5.0秒、最高速度253km/h。電気モーターのみの航続距離は、最長44kmで、135km/hまでの加速が可能。平均燃料消費量(NEDC)は、使用タイヤに応じ、3.4~3.2リッター/100km。平均電力消費量は20.9~20.6kWh/100kmとなっている。
加えてポルシェでは、カイエンEハイブリッドの発売と同時に、カイエンシリーズ全体のコンフォート&アシスタンスシステムの範囲を拡張。
日本仕様モデルでは、レーンチェンジアシストとアダプティブクルーズコントロール、パークアシスト、サラウンドビューカメラが標準装備され、新しいヘッドアップディスプレイ、マッサージシート、リモートコントロール付独立ヒーター、および22インチ軽合金製ホイールなどがオプションとなる。
918スパイダーのブーストコンセプトを採用
ポルシェは2010年に、カイエンの電動化モデル「カイエン Sハイブリッド」を、また2014年には、PHVモデルとなる「カイエン S E-ハイブリッド」を投入。新型の「カイエンEハイブリッド」は、ポルシェにおけるE-モビリティへの次の段階であるとしている。
カイエンEハイブリッドでは、エンジン出力を先代モデルから5kW(7PS)向上し、250kW(340PS)に。またモーター出力は43%上回る100kW(136PS)に向上。これらを結合したシステム最高出力は、先代を34kW(46PS)上回る340kW(462PS)となった。
また、918スパイダーに基づいたブーストストラテジー新たに追加し、走行条件と性能要件に応じて全ての回転域で連続してブーストトルクの利用が可能となった。
ブーストアシスタンスの範囲とバッテリーの充電量は、ドライビングモードによって変化。性能重視のスポーツとスポーツプラスモードでは、ブーストのためにほぼ全てのバッテリーエネルギーの使用が可能。
スポーツモードでは、新たなブーストに必要なだけの充電が行われる。また、スポーツプラスモードでは、バッテリーはできる限り迅速に再充電され、その他モードでは、ブーストのエネルギーを制限し、効率的な走行をサポートする。
スマホアプリとポルシェチャージングシステムによる充電
カイエンEハイブリッドでは、バッテリー技術の進化により、モーターによる走行距離とブーストエネルギーを大幅に増加。バッテリー容量は、先代モデルの10.8kWhから約30%増加して14.1kWhに。水冷式のバッテリーは、13のプリズムリチウムイオン電池を備えた8つの電池モジュールで構成。車両のリアのローディングフロアの下部に搭載されている。
充電の管理およびモニタリングは、ポルシェコミュニケーションマネージメント(PCM)とポルシェコネクトアプリで行い、リモート操作でチャージング開始時間の設定やバッテリー残量の確認が可能。またエンジンが始動していなくても、アプリでオートエアコンの操作ができる。
新たなハイブリッドモジュールとティプトロニックS
カイエンEハイブリッドでは、ドライブトレインを一新。新しいハイブリッドモジュールでは、エレクトリックシステムと分離クラッチを統合し、先代のスピンドルアクチュエーターによる電気油圧式システムに比べて、反応時間が短縮された。
また、全モデルに搭載される新開発の8速のティプトロニックSは、よりスムースで快適性を増しただけでなく、変速スピードも短縮され、変速時に失なわれていたトラクションも大幅に減少していると云う。
アクティブ制御4WD
カイエンE-ハイブリッドには、ポルシェトラクションマネジメントシステム(PTM)による電子制御マルチプレートクラッチを用いたアクティブ制御4WDを搭載。新しいシャシーを採用し、ポルシェアクティブサスペンションマネジメントシステム(PASM)を標準装備している。
また、ハイブリッドモデルでは初めてポルシェダイナミックシャシーコントロール(PDCC)がオプションとして選択可能となった。
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