NEXT MOBILITY

MENU

2024年5月1日【新型車】

ピニンファリーナ、ゴッサムのアイコンからハイパーEVを製作

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

B95ハイパーバルケッタ・ゴッサム

 

イタリアの自動車製造工房「アウトモビリ ピニンファリーナ( Automobili Pininfarina )」は、米WBDGCP( ワーナー・ブラザース、ディスカバリー・グローバル・コンシューマー・プロダクツ、レリバンス・インターナショナル )と協力。米コミック・ブック出版社DCコミックス「バットマン」のブルース・ウェインにインスピレーションを得たオーダーメイドEVを製作・披露した。

 

披露されたクルマは、〝B95ハイパーバルケッタ〟と、 〝バティスタハイパー GT〟の2モデルをベースに、各々「ゴッサム」と「ダークナイト」と名付けられた 2 つの仕様としており、ポップ カルチャーのアイコンとして1939年のデビュー以来、様々なメディアを賑わしてきた大富豪ブルース・ウェインの贅沢なライフスタイルを際立たせ、夢の車を実現させたコンセプトとなっている。

 

B95ハイパーバルケッタ・ゴッサム

 

ボディ構造は、カーボンファイバー製のモノコックに、同じくカーボンファイバー製ボディパネルを組み合わせる手法で軽量化。車体の前後はアルミ構造とすることで衝突時の衝撃を吸収する。

 

また外装はサイドスカートとルーフにウェイン・エンタープライズのロゴが施され、全モデルにブルース・ウェインにインスピレーションを得たユニークなアルミニウム製ドアプレートが飾られる。

 

インテリアは、ドライバーが運転に集中できるミニマムインターフェースを取り入れ、小型ディスプレイモニターを介して重要かつ的確な情報が表示される。但し両モデル共に、HMIディスプレイ採用されていることから、忠実な執事兼アシスタントのアルフレッド ペニーワースにインスパイアされた指示音声機能が実装されている。

 

B95ハイパーバルケッタ・ダークナイト

 

パワーユニットは120kWhの大容量リチウムイオンバッテリーと、合計最大出力1,900馬力・最大トルク240.6kgmを発生する4つのモーターで駆動され、0-100km/h加速性能が2秒未満、最高速は350km/h。1回の充電での航続距離は最大500km。

 

またゴッサム仕様は、ブルース・ウェインの穏やかさを反映。B95ハイパーバルケッタ・バッティスタ ハイパーGTの双方共に、センターパネルに特注のキルティングとタンのステッチを含むタンのレザーで装飾。フロント20インチとリア21インチのアロイホイールは、プレツィオーソ エヴォルツィオーネのグロスブラックフェイスとマットブラックで仕上げられた。

 

対してダークナイト仕様は、インテリアをブラックのアルカンターラとブラックのレザー張りとし、ブラックとゴールドのデュオトーンのコントラストステッチが施されている。ボディワークではネロ プロフォンドの光沢ペイントで仕上げられた。

 

なお同車両は、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー・グローバル・コンシューマー・プロダクツが展開する高級ブランド、ウェイン・エンタープライズ向けに開発された超限定車で、BruceWayneX.comを介して実販売が始動する予定。また車両展示については、近日ニューヨークに於ける招待者限定イベントで公開される見込みだ。

 

開発車両について米WBDGCPで北米消費者製品部門の責任者を務めるロバート・オーバーシェルプ氏は、「最新鋭車の設計でオートモビリ・ピニンファリーナと協力することは、保有ブランドを守るべき私たちの使命〝一流ブランドと提携してブルース・ウェインの洗練された趣味を現実世界にもたらす〟を体現しています。

 

精巧なデザインと未来的なテクノロジーを特徴とする素晴らしいハイパーカーの誕生は、ウェインのライフスタイルを称えると共に、他のどこにもない革新的な車両となりました」と述べた。

 

バッティスタ ハイパーGT・ゴッサムバッティスタ ハイパーGT・ダークナイト

 

これを受けてアウトモビリ ピニンファリーナで最高経営責任者を務めるパオロ・デラチャ氏は、 「米WBDGCPを通じてウェイン・エンタープライズと手を携えたことは、我々にとっては自然な流れです。

 

このコラボレーションにより、私たちは顧客の想像力を刺激できるだけでなく、新しい多様なオーディエンスにリーチして刺激を与えることができました」と述べた。

 

バッティスタ ハイパーGT・ダークナイト

 

また車両デザインを手掛けたデイブ・アマンテア氏は、 「ブルース・ウェインにインスピレーションを得たピュア電動ハイパーカーを設計することは、私たちのチームにとっては夢のような仕事です。

 

ブルース・ウェインのような象徴的な人物は、私達に創造の自由を与えてくれます。この2つの特別仕様は、世界で最も有名なマスクの背後にいる男性のための究極の車を表しています」と説明した。

 

更に同社で最高技術責任者の任にあるアンドレア・クレスピ氏は、 「ウェイン・エンタープライズはイノベーションの先駆者であり、可能性の限界を押し広げる揺るぎない献身の証です。

 

今回のB95バルケッタとバティスタ ハイパー GTは、ブルース・ウェインの先見の明を備えた精神性を巧み体現したもので、アウトモビリ ピニンファリーナの技術チームのたゆまぬ努力と優れた技術的背景かせ生み出されたクルマです」と結んでいる。

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。