ジャガー・ランドローバー・ジャパン、レンジローバーに初のPHVを設定。24年にBEV投入
ジャガー・ランドローバー・ジャパンは1月17日、ラグジュアリーSUVの新型「レンジローバー(RANGE ROVER)」を発表し、同日から受注を開始した。新型車には同モデル初のプラグインハイブリッド車(PHV)を設定したほか、2024年にはランドローバー初となる同モデルベースのフルバッテリー電気自動車(BEV)を発売する予定だ。(佃モビリティ総研・松下次男)
東京都内で開いた新型車発表会でマグナス・ハンソン社長は同モデルについて「電動化の未来に向けて、一から開発したモデル」と強調し、PHYやBEVの拡販に期待感を示した。
今回の新型レンジローバーは第5世代目。最新アーキテクチャの「MLA―Flex」を採用し、内燃機関からPHV、BEVなどのあらゆるパワートレインに対応できるように設計した。
レンジローバーはランドローバーの最上級モデル。ハンソン社長は「50年以上にわたりラグジュアリーSUVを定義、リードするモデルになった」と表明したうえで、新型レンジローバーは電動化時代に向け「新しいラグジュアリーSUVを築くことを確信している」と述べた。
新型レンジローバーの特長は長きに渡るそのDNAを受け継ぎながら、モダンさと洗練されたテクノロジー、シームレスなコネクティビティを兼ね備えた魅力あるモデルへと進化させたことだという。
デザインはシンプルな美しさを強調。世代を超えて受け継がれてきた特徴的な3つのライン(ルーフ、ウエスト、シル)やショートオーバーハング、テーパー形状でボートテールのようなリアなどレンジローバーのプロポーションを定義づける要素が随所にちりばめる。
ボディタイプはスタンダードホイールベース(SWB)とロングホイールベース(LWB)を用意し、シートレイアウトは4人乗り、5人乗り、そしてレンジローバー初となる3列7人乗り(LWBのみ)から選択できる。
パワートレインは 排気量3リットルのディーゼルエンジン、4・4リットルのガソリンエンジン、それに3リットル・ガソリンエンジンと105キロワットの電動モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドがラインアップされている。
今回設定されたPHVモデルは二酸化炭素(CO2)排出量を1キロメートル当たり30グラム未満に抑え、EV(電気自動車)での最大航続距離は100キロメートル(WLTP値、実航続距離は80キロメートル)となっている。
高速走行時の優れた安定性と低速走行時の回頭性を両立するオールホイールステアリング(AWS)も開発、搭載する。リアサスペンション・システムに搭載したアクチュエーターで後輪のトーク角を前輪とは逆方向に操舵させ、ランドローバー史上最少の回転直径を実現。
これにより低速時やオフロード走行時の障害物が回避できるほか、限られたスペースへの駐車が容易になる。逆に、高速走行時は後輪を前輪と同じ方向に回転させて、素早い方向転換とドライバーのフィーリングとフィードバックを向上させる。
また、今回の新型車にはスペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)が手掛けるレンジローバーのラグジュアリーとパーソナライゼーションを極めたモデルとして「レンジローバー SV」が追加、設定されている。
車両価格(消費是含む)は3リットル・ディーゼルエンジン搭載モデルが1638万円~1972万円。PHVモデルが1710万円~2477万円。4・4リットル・ガソリンエンジン搭載モデルが1830万円~2775万円。