JATO Japan Limited(以下「JATO」)は4月7日、欧州の自動車市場についての最新レポートを公開した。
欧州新車市場では、当月も減少傾向が続いた。27カ国のデータによると、当月の販売台数は84万8,455台となり、2020年2月の106万台と比べて20%減少した。2020年の時点で、2019年2月と比較して販売台数が7%減少していたが、2021年は感染拡大の影響により、この負のトレンドに拍車がかかっている。
JATO DynamicsのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「渡航制限が続き、消費者が自宅に留まる限り、業界は引き続きマイナスの結果を見ることになるだろう」と述べた。
特に、2020年3月は新型コロナウイルスの影響で販売台数が84万8,400台まで減少し、欧州で38年ぶりの低水準を記録。このことからJATOは、2021年3月には販売台数の増加を見込んでいる。
電動化競争が進む中、ディーゼル車の市場はますます厳しくなっている。マイルドハイブリッド(MHEV)を含むディーゼル車の販売台数は33%減の約22万5,000台で、新車販売台数全体の27%であった。三菱、ホンダ、トヨタ、マツダ、ミニなどのブランドの販売構成から、ディーゼル車はほぼ完全に姿を消した。
一方、低公害車のピュアEV(BEV)およびプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)は、2月も引き続き好調であった。67%の成長を示し、販売台数は11万5,000台、マーケットシェアは2020年2月の6.5%から当月は13.6%に急上昇した。また、ノルウェーでは、市場全体の79%を占めている。
電動化の影響力は、欧州の燃料タイプ別販売構成比からも見ることができる。例えば、当月に販売されたランドローバーの3台に1台が電動車であるが、2020年2月にはわずか7%だった。また、MG、ボルボ、メルセデス、ジープのシェアが前年同月比で15%ポイント以上増加している。
同社によると、これはPHEVやBEVの代替モデルに対する需要の高まりを受けて、各メーカーがSUVの多様化を進めているためだという。
非常に厳しい経済状況にもかかわらず、SUVは従来のセグメントに比べて好調に推移した。過去に人気のあったセグメント(シティカー、サブコンパクト、コンパクト、ミッドサイズ、エグゼクティブ、ラグジュアリーセダンを含む)が23%の減少であったのに対し、SUVはわずか11%の減少に留まった。MPVは58%減の17,800台となり、自身の最低記録を更新した。
2月のモデルランキングでは、プジョー 208がトヨタ ヤリスに代わって首位となった。プジョーが最後に欧州のモデル別ランキングで首位になったのは、2008年2月のプジョー 207以来である。現世代のプジョーの人気は、2008(B-SUV)の好成績にも表れている。2008は、フォルクスワーゲン T-Rocやルノー キャプチャーを抑えて、51%という大幅な販売増を記録し、当月第2位となった。
フォード プーマ(Puma)は引き続き大幅な伸びを示し、フォードで最も売れたモデルとなった。それ以外に良い結果を残したモデルは以下の通り:ボルボ XC40の33%増、フォード クーガ(Kuga)の220%増、テスラ モデル3の55%増、メルセデスGLBの181%増、メルセデス GLA/EQAの49%増、スマート フォーツーの114%増。
最新発売されたモデルでは、フォルクスワーゲン ID.3が3,744台、シトロエン C4が2,805台、クプラ フォーメンター(Cupra Formentor)が2,582台を販売した。