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2021年3月23日【MaaS】

オリックスカーシェア、顧客満足度調査で5年連続で総合1位

NEXT MOBILITY編集部

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J.D.パワー ジャパンは3月23日、J.D.パワー2021年カーシェアリングサービス顧客満足度調査℠の結果を発表した。

 

この調査は同社が年に1回、国内のカーシェアリングサービス利用者を対象に、カーシェアリングサービスの利用状況や各種経験、満足度を聴取し明らかにするもの。2021年で5回目の実施となる。

 

総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。顧客満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「各種料金」(33%)、「サービスメニュー」(21%)、「車両」(20%)、「予約(ウェブページ/モバイルアプリ)」(20%)、「コールセンター」(7%)となっている(カッコ内は影響度)。

 

 

 

コロナ禍で旅行用途ユーザーは減少、日常生活シーンでの利用が中心に
この調査は半年以内にカーシェアを利用したユーザーを対象に、今年1月に実施した。新型コロナウイルス流行の第2波、第3波といった期間中においてカーシェアリングサービスを利用したユーザーとなっている。

 

カーシェアの利用目的をみると、「旅行」が33%と最も多いものの、前年調査(2020年3月発表)と比べて-8ptの減少となっている。コロナ禍における自粛ムードの中、年に数回の旅行の際に、といった用途でカーシェアを利用していたユーザーが減少していることがうかがえる。一方で「近隣での日常的な買い物」や「郊外や遠方での買い物」、「荷物の運搬」、「家族などの送迎」といった日常使いでの利用割合は増加となった。新型コロナウイルスの収束がこの先も不透明な中、日常生活の移動手段としてのカーシェア需要は今後も高まっていくことが想定されるが、旅行時の移動手段としての需要回復にはまだ時間がかかると推察される。

 

 

 

 

利用者はマイカー保有者と非保有者に二分、

マイカー非保有者の今後の利用意向は高いが満足度には課題
カーシェアリングサービス利用者における自家用車の保有状況を見ると、半数が自家用車(マイカー)を保有しているユーザー、半数がマイカーを保有していないユーザーに二分される結果となっている。マイカー保有ユーザーにおけるカーシェアの利用理由として、「自家用車は家族などで共有していて、車を使いたいときに使えないときがあるため」が最も多く挙がっており、日常生活における2台目需要の代替という側面も見られる。

 

 

マイカー有無別に今後のクルマに関する意向を見ると、マイカー保有者では「この先はクルマを持たずにカーシェアを利用できればよい」という回答が14%に対し、マイカー非保有者では半数以上が「この先もクルマを持たずにカーシェアを使いたい」という結果となった。マイカーを保有する代わりにカーシェアリングサービスを使い続けたいというユーザーは多いと言える。

 

 

しかし、マイカー保有者と非保有者におけるカーシェアリングサービスの満足度を比べると、マイカー非保有者の満足度は総じて低い結果となっている。このような層は、買い物等の日常シーンでカーシェアを利用するケースがより多く、利用頻度も高い傾向にある。7割前後のユーザーが「空車がみつからず、利用をあきらめた」、「利用したいステーションに空車がなく、違うステーションで探さなければいけなかった」というストレスを経験しており、今後の期待としても「ステーションの増加・エリアの拡充」を挙げる傾向も高い。今後カーシェアリングサービスが「クルマを持たなくてもよい」というユーザー層からの期待にも応え、マイカー保有の代替サービスとしての位置付けを高めていくためには、現状以上のステーションや車両の増加が必須だという。

 

加えて、モバイルアプリやウェブサイトからの予約時の不満点として、「希望条件(時間・場所・車種)に合う車両を検索しづらかった」という指摘が25%以上あがっており、4人に1人は予約ツールが使いにくいと感じている結果となっている。高頻度でカーシェアを利用するユーザーほど、使いたい時に手軽にすぐに予約手続きができるといったことへのニーズは高いと考えられる。予約アプリを中心としたユーザビリティの更なる改善もこの先必要だとしている。

 

 

J.D.パワー2021年 カーシェアリングサービス顧客満足度No.1を発表
総合満足度ランキング第1位は、「各種料金」「サービスメニュー」「車両」「予約」「コールセンター」の全ファクターで最高評価を得たオリックスカーシェアとなった。オリックスカーシェアが総合満足度第1位を獲得するのは5年連続となる。

 

– 第1位:オリックスカーシェア(695ポイント)
– 第2位:タイムズカーシェア(682ポイント) 
– 第3位:カレコ・カーシェアリングクラブ(677ポイント)

 

 

 

■調査概要
– 実施期間:2021年1月  
– 調査方法:インターネット調査 
– 調査対象:半年以内に日本国内でカーシェアリングサービスを利用した18~64歳男女
– 回答者数:1,742人

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。