NTTドコモ、綜合警備保障株式会社(ALSOK)、パイオニアスマートセンシングイノベーションズは、3D-LiDAR・点群データを活用するビジネスの創出を目的としたアライアンス契約を締結し、2021年6月15日付けで「スマートセンシングアライアンス」(以下、「SSA」)を設立したと、6月15日発表した。
SSAでは、センサーの利活用を検討している事業者などが、そのニーズに最適なサービスやソリューションを容易に手に入れることができる環境構築を実現するために、さまざまな分野の企業が業界の垣根を超えて参画し協働する。
なお、SCSKもこの取組みに賛同・参加しており、現時点でSSAには、計4社の参加が決定している。
【設立の背景】
近年、センサー関連技術の進化に伴い、3D-LiDARをはじめとするより高性能・高機能なセンサーの開発、実用化が進んでいる。そのセンサーの利活用範囲はIoT社会の発展と相まり、自動運転を含む移動体だけでなく、インフラなどさまざまなビジネスシーンに広がっている。
その一方で、各センサーの開発と利活用は個々の取組みにとどまり、得られる信号の特性や使用法などは社会・産業横断的に共有されているとは言い難い状況である。そのため、各活用シーンに最適なサービスやソリューションを開発する際には、仕様の確認や知見、リソースの獲得などに多大な手間と時間、費用が個別に必要となっている。
【SSAの目的】
SSAでは、以下二点の実現を目的としている。
①社会課題解決へ貢献する3D-LiDARを利活用したソリューションの開発・提供
②3D-LiDARなどのセンサーから得られる点群データなどの収集および、その利活用による付加価値の創出
SSA参加企業はそれぞれの強み、ノウハウを持ち寄ることで上記目的を見据えた開発に関わるさまざまな課題を解消し、早期の事業化を実現する。
具体的には、3D-LiDARなどのセンサーをさまざまなシーンで利活用するために、用途に適したソフトウェア/アルゴリズム、通信による遠隔管理などのソリューションをワンストップで提供することにより、センサーの利活用を検討している各事業者のニーズの充足および、課題解消の迅速化と効率化を図る。当面は、低速移動体であるロボットを用いた警備や監視といったシーンでの利活用をターゲット領域として想定し、交通などその他のさまざまなシーンに対しても早期に展開する予定としている。
また、センサーの利活用を通じて得られる多種多様なデータを、「点群データバンク」としてSSA参加企業間で利活用可能にし、最適なソフトウェア/アルゴリズムを融合することで、多様なユーザーニーズに対応したより高度で使いやすいシステム、ソリューションをスピーディーに開発できる環境を構築していく。
SSAは、参加企業を限定することのない拡張型のアライアンスであり、社会が求めるソリューションの開発・提供を実現するために、SSAの設立主旨および目的に賛同、協力する企業などと今後幅広く連携していく方針だ。