日産自動車は9月21日、つくば市と、日産自動車、茨城日産自動車の3者が、17日、「災害時における電気自動車による電力供給に関する協定」を締結したことを発表した。
この協定は、つくば市で災害による停電が発生した際、日産の販売会社から貸与する電気自動車(EV)「日産リーフ」を電力源とした災害時の電力供給体制の構築と、EVの「走る蓄電池」としての価値の普及を目的とした協定で、ゼロ・エミッション社会の実現を目指す日産の『ブルー・スイッチ』活動としては142件目の取り組みとなる。
■協定の経緯・背景
つくば市は、防災力強化への取り組みに加え、「つくば環境スタイル“SMILe”」を掲げ、低炭素化社会の実現に向けた環境対策に取り組んでいる。また、2018年6月に「SDGs未来都市」に選定され、持続可能なまちづくり実現を目指し、SDGs推進にも積極的に取り組んでいる。
一方、日産自動車は、2018年5月より、EVの普及を通じて、環境、防災、エネルギーマネジメント、観光、過疎などの地域課題解決を目指す、日本電動化アクション『ブルー・スイッチ』を、全国の自治体や企業、販売会社と共に推進。また、2030年代早期には、主要市場で投入する新型車すべてを電動車両にすることを宣言、電動化をリードしながら、SDGsの達成やカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを加速している。
この日産自動車が推進する『ブルー・スイッチ』、そして、つくば市が推進する環境・防災対策やSDGsの推進と、双方の取り組みにお互いが賛同し、協定を締結することとなった。
■協定の概要と主な連携内容
「災害時における電気自動車による電力供給に関する協定」の概要は、以下の通り。
・つくば市で災害を起因とする停電が発生した際、つくば市からの要請により、市が指定する避難所へ、茨城日産自動車から、電気自動車(EV)日産リーフを無償貸与する。また、茨城日産自動車、および日産プリンス茨城販売株式会社、株式会社アキュラホームの店舗を災害時における電力供給拠点*として使用し、電気自動車(EV)日産リーフからの電力供給を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、市民の生命、身体及び財産を守る。
*災害時における電力供給拠点は、今後も協力企業を募り、増やしていくことを目指す。
・つくば市および日産自動車、茨城日産自動車は、平常時も電気自動車(EV)の普及促進を行うほか、市イベントで使用する電力を電気自動車(EV)から供給することで、電気自動車の「走る蓄電池」としての活用を市民へ積極的にアピールし、環境・防災意識向上を目指す。
つくば市は、公用車として電気自動車「日産リーフ」を導入の他、電気自動車および電気自動車(EV)の電力を建物の電力として活用できる電力変換装置V2H(Vehicle to Home)の購入時の補助金を設定しており、今後も環境に優しい電気自動車(EV)の普及を目指し、環境・防災力向上に努めていく。
つくば市と日産自動車は、協定締結を機に、電気自動車(EV)を活用した、環境に優しく災害に強い持続可能なまちづくりを推進し、美しい自然環境を未来に残すため、EVの普及を通じた地域課題の解決、脱炭素化社会実現、SDGs達成に向けて、更に連携を強化するとしている。