日産自動車は3月17日、長野県上伊那郡辰野町と、日産自動車、ならびに松本日産自動車、及び長野日産自動車の4者が、電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結したことを発表した。
この協定の内容は、辰野町が、『電気自動車(EV)の普及を通じて、地域課題解決や環境負荷の低減に取り組むと共に、地震災害等による大規模停電が発生した際に、町が指定する避難所等において、日産の販売会社である松本日産自動車、及び長野日産自動車より貸与される電気自動車(EV)「日産リーフ」を電力源として活用することで、避難所の円滑な運営を行い、町民の安全確保に努める』というもの。
辰野町は、天然記念物に指定されている「しだれ栗」や「ゲンジボタル」の群舞が見られるなど、緑や水に恵まれた自然豊かな町だ。この美しい自然を後世に繋ぐため、自然環境を育み活かすまちづくりに取り組んでいる。また、令和元年の台風19号など、近年多発する地震又は風水害等の大規模災害による被害を教訓に、災害が起きた際に町民の生命や財産を守ることができるよう、地域防災力強化に向けて積極的に取り組んでいる。
一方、日産自動車は、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、2018年5月に日本電動化アクション『ブルー・スイッチ』を発表し、その活動を牽引するリーダーとして、全国の自治体や企業と協力して、電気自動車(EV)普及を通じた社会の変革に積極的に取り組む。また、「ブルー・スイッチ」活動の推進を通じて、温暖化対策、防災・減災、エネルギーマネジメント、観光、過疎化などの地域課題の解決に取り組み、SDGsの達成を目指している。
この日産自動車が推進する『ブルー・スイッチ活動』、そして、辰野町が推進する環境・防災対策と、双方の取り組みにお互いが賛同し、今回、協定の締結を行う運びとなったという。日産自動車が締結した自治体・企業との災害連携協定としては、今回の締結が全国で90件目となり、また、EVを活用したエネルギーマネジメントや観光などを含む、ブルー・スイッチ活動としては119件目の取り組みとなった。
電気自動車を活用した「災害連携協定」の概要は、以下の通り。
【協定の概要】
・辰野町で災害を起因とする停電が発生した際、町が指定する避難所に、松本日産自動車、長野日産自動車の店舗に配備している電気自動車(EV)「日産リーフ」を無償で貸与する。
・辰野町、日産自動車、松本日産自動車、長野日産自動車の協力により電気自動車(EV)からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、町民の生命及び身体の安全を守る。
・辰野町および日産自動車、松本日産自動車、長野日産自動車は、平常時も電気自動車(EV)の普及促進を行うほか、町のイベントで使用する電力を電気自動車(EV)から供給することで、『電気自動車は「走る蓄電池」』としての活用を町民へ積極的にアピールし、環境・防災意識向上を目指す。
– 日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」ウェブサイト
https://ev.nissan.co.jp/BLUESWITCH/