日産自動車は、3月23日、同社の中期計画「日産M.O.V.E to 2022」の一環として、電動駆動車の拡充、自動運転技術の拡充と進化、およびコネクティビティの加速に向けた計画を発表した。
同計画において、日産は、2022年度までに、100%電気自動車(EV)、e-POWER搭載車をあわせて年間100万台販売することを目指すとしている。
日産は、6か年計画で、以下の目標達成を目指すとしている。
・新型「日産リーフ」の成功を基盤に、EVを新たに8車種開発
・中国で各ブランドによるEVの積極投入
・日本に軽自動車のEVを投入
・ニッサンIMxコンセプトカーから発想を得たグローバルなクロスオーバーEVを投入
・2021年度以降投入するインフィニティの新型車を電動駆動化
・自動運転技術の搭載車 20車種を20の市場に投入
・本計画の最終年度までに、主要市場で発売するニッサン、インフィニティ、ダットサンブランドの全新型車を100%コネクテッドカーに
日産のチーフ・プランニング・オフィサーのフィリップ クラン氏は、「当社の商品および技術戦略は、当社が自動車産業における技術とビジネスの進化をリードすることを目的にしています。我々の取り組みは、電動化、自動運転、コネクティビティと新モビリティサービスという3つの中核的要素を網羅する『ニッサン インテリジェント モビリティ』をお客さまにご提供することに重点を置いています。」と述べている。
またクラン氏は、アライアンスでそれぞれ自動運転技術、コネクテッドカーの開発プロジェクトを統括する浅見孝雄氏とオギ レドジク氏同席のもと開催したメディアラウンドテーブルで、日産が中期計画において、2022年度末までに年間売上高を30%増の16兆5,000億円にする目標を改めて表明した。
同氏はまた、8%の営業利益率と、累計2兆5,000億円の自動車事業のフリーキャッシュフローの実現を目指す日産の目標実現について、ルノー・日産自動車・三菱自動車で共有するプラットフォームやパワートレインを活用していくと述べている。
■電動化
電動化戦略の一環として、新型「日産リーフ」で培った技術を生かしたCセグメントのEVを始め、中国で積極的に商品を投入するとクラン氏は述べている。
この計画には、アライアンスと東風汽車集団股份有限公司による合弁会社eGT New Energy Automotive社が開発、投入するEVも含まれ、さらにヴェヌーシアブランドからの2車種の派生型EVも計画されている。
日産はまた、「ノートe-POWER」が、発売から最初の1年で累計129,000台以上を販売、ノート購入者の3分の2がe-POWER搭載モデルを選択していることから、日本の「ノート」および「セレナ」に搭載されるe-POWER技術の採用を拡大。
EVとe-POWER搭載車を含む電動駆動車の販売台数に占める割合が、日本と欧州で2022年までに40%、2025年までに50%に、また、米国で2025年までに20~30%、中国で35~40%になると見込んでいる。
インフィニティについては、2021年度以降に発売する新型車両をEVもしくはe-POWER搭載車にし、自動車産業における電動化を加速。インフィニティについては、2025年までにグローバル販売台数の半数以上が電動駆動車になると見込んでいる。
■自動運転技術
自動運転技術における戦略の一環として、日産は、2022年までに自動運転技術「プロパイロット」を20車種に搭載し、20の市場に投入すると発表。
2022年までのプロパイロット搭載車の販売台数については、年間100万台の見込みだと云う。
また、「プロパイロット」の進化で、高速道路の複数車線を、自動走行で、目的地まで移動することが可能になり、同機能は1年以内に日本で導入予定だとしている。
■コネクテッドカー・モビリティサービス
レドジク氏は、主要市場で発売するニッサン、インフィニティ、ダットサンブランドの全新型車にコネクティビティ機能を搭載すると発表。
コネクティビティ機能には、「アライアンスコネクテッドクラウド」が導入される。
「『アライアンスコネクテッドクラウド』を導入することで、アライアンスのパートナー企業3社は、すでに販売されている車両から新型車まで、すべてのコネクテッドカーのデータを一元管理することが可能になります。また、本クラウドシステムは、インフォテインメントサービスもサポートしており、全車両で無線通信でのアップデートが可能となります。」とレドジク氏は述べている。
クラウドシステムでは、無人運転車による配車サービスを含むモビリティサービスの拡大のための土台を提供。
日産は、パートナー企業であるディー・エヌ・エー(DeNA)と、今月上旬に無人運転車両を活用した新しい交通サービス「Easy Ride(イージーライド)」の実証実験を開始。2020年代早期に本格的なサービス開始を目指しているとしている。