日産自動車は、3月28日、ガンダーラ日産(GNL)と、ダットサンモデルの現地生産のための生産および、ライセンス契約を締結し、パキスタン市場に参入すると発表した。
この契約で、同社は、新車需要が年間20万台以上の規模に拡大したパキスタン市場での自動車販売が可能に。パキスタンで現地生産された第一号車は、2020年初頭に販売を開始する予定だと云う。
日産は、今回のパートナーシップについて、需要が高まっている新興国のユーザーに向け、相応しいブランドと製品を提供するという、同社の新興国戦略の一環によるものだとしている。
この契約に際して、日産のアフリカ・中近東・インド担当専務執行役員のペイマン カーガーは、「今回のパキスタン市場への参入は、現在進行中の現地の生産インフラおよび経済活動の発展における大きな一歩となります。パキスタン政府と密に協力し、そしてサポートをいただくことで、同国内の経済、お客さま、パートナーの皆様、そして当社にも持続可能な利益がもたらされると確信しております。また、当社は、ガンダーラ日産と共に、サプライヤーと協力し、技術とスキルの現地化と交流を行っていきます。これは、発展しつつある現地の部品産業へ永続的なメリットをもたらすでしょう」と述べている。
日産は、同社のパキスタン市場参入で、同国市場に、日本の最新の技術を活用して開発し生産された新鮮で望ましいラインアップのクルマが供給されるとコメント。
また、すでにパキスタンのGDPのおよそ4%を占めている自動車産業にも大きな追い風となるとしている。
ガンダーラ日産では、最初の4年間で45億パキスタンルピー(約4,100万米ドル)を投資予定。両社は共同で、カラチのカシム港にある既存の設備を、世界水準の車両生産工場へ発展させるなど、今回の生産プロジェクトおよび販売網の整備では、1,800名以上の雇用が創出されると云う。
ちなみに、今回のプロジェクトは、パキスタン政府の自動車開発政策におけるブラウンフィールド開発奨励策(*)の対象となっている。
ガンダーラ日産のCEOであるアハメッド・クリ・カーン・カタックは、「本契約の締結により、世界水準の設備と日本の最高のエンジニアリング技術がパキスタンにもたらされます。部品生産の現地化を行い、自動車サプライヤー産業の発展を後押しすることで、結果として同国への技術支援が行われ、日本との連携が推進されます」と述べた。
また、「パキスタンのお客さまは、自国にふさわしいクルマと機能が提供されることで、魅力的なドライビングエクスペリエンスを楽しむようになるでしょう」と語った。
*:稼働していない工場を活用し生産を開始すること。