このため総会進行は、新たな4名の取締役の選任に至る以前に、内田誠社長が呼び掛けた質問に対して「1年前には、副社長でもなかった内田誠氏を筆頭に、関潤氏と入れ替わりに入った新任執行役副社長(開発・技術畑の坂本秀行氏)や、海外から赴任した新役員など、もはや誰が誰だから分からない。我々一般株主に分かるよう名札を付けておくべき」
「我々が日産車を買っても、タマ不足困窮する販社の対応が芳しくない」「トヨタ自動車と比べると、車両の品質以前に経営品質自体に差がある」など一般株主は、外部から経営の実態を充分に知り得ないだけに、様々かつ取り留めも無い一方的な不満が続出した。
さらには総会進行を〝事務的な冷静沈着さで仕切る〟内田誠社長への不満も加わって、先行きに不安が募る一般株主の想いは総会開始2時間が過ぎても収まらず、最後には議事運営が不適切だとして議長解任を求める動議もあった。
しかし一部の株主からの「次の定時株主総会まで業績低迷が続いたらどうするのか」の問いに、内田誠社長が「経営に改善が見えなければ、すぐに私をクビにしてください。執行の責任者である時分が責任を持って日産再生を果たして見せます。
今は色々なことが起きていまますが、日産は本当の姿はこんなものではありません。早く良い会社と言って貰えるよう、覚悟を持って経営に取り組んでいきます」と語って、株主の怒号を冷静に押し切った。