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2023年11月8日【事業資源】

日産、ブラジルの投資事業が最大28億レアルへ拡大

坂上 賢治

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南米20カ国以上に輸出する新型SUVとターボエンジンの生産開始決定を発表

 

日産自動車は11月7日(現地時間)、ブラジルのリオデジャネイロ州のレゼンデ工場でブラジル創業23周年記念式典を開催。この壇上で内田誠社長は、2023年から2025年までのブラジル事業への投資計画を最大28億レアルに拡大。2車種の新型SUVとターボエンジンを生産すると発表した。

 

 

当自の式典には、リオデジャネイロ州のクラウディオ・カストロ知事や政府関係者、工場の全従業員含む2,400名が出席。日産の内田誠CEOは「当社を牽引する長期ビジョン〝Nissan Ambition 2030〟に基づき、ブラジルと南米のニーズと実情を考慮。

 

今後数年間の変革を確実なものにするための現地戦略を策定しました。この新たな取り組みを開始することで、グローバルな目標の達成に向けてさらに進化し、貢献していくための強固な基盤を築きます」と語った。

 

より具体的には、今大規模投資によって同社はレゼンデ工場で2車種の新型SUVを生産するための設備の導入と改良を行う。

 

 

日産自動車によるブラジル投資は、10年間で62億レアルへ拡大

 

そのうちの1車種は、ブラジルを含めグローバルに成功を収めている「日産キックス」の後継モデルとなり、パワートレイン工場ではブランド全体で使用される先進的なターボエンジンを製造する予定という。また今後は、同工場で生産した車両を20カ国以上に輸出する。

 

更に生産品質を重視しながら新型車を導入する取り組みの一環として、同工場では2022年に第2シフトを導入して578人の雇用を創出。加えて日産は現地のサプライチェーンも拡大中で、今回の式典の直前には新たに4社がオンサイトのサプライヤーとして加わることが発表されている。

 

 

この新たな投資は、ブラジル市場および南米全域における同社の戦略を一貫して強化するもの。既にレゼンデ工場を建設した際には、総額26億レアルが投資されている。同社はこれが、ブラジルにおける自動車メーカーの生産工場の建設としては最大規模の投資の一つだとしている。

 

また操業開始後の数年間は、従業員の福祉をこれまで以上に向上させるため、新しい生産技術の導入や人間工学に基づく改善などに重点を置いた投資も行った。

 

結果、今回の2車種の新型SUVとターボエンジンの生産に向けた投資を含めると、日産のレゼンデ工場に対する投資総額は10年間で62億レアル(記事出稿時点で約865億円)に上るとしている。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。