南米20カ国以上に輸出する新型SUVとターボエンジンの生産開始決定を発表
日産自動車は11月7日(現地時間)、ブラジルのリオデジャネイロ州のレゼンデ工場でブラジル創業23周年記念式典を開催。この壇上で内田誠社長は、2023年から2025年までのブラジル事業への投資計画を最大28億レアルに拡大。2車種の新型SUVとターボエンジンを生産すると発表した。
当自の式典には、リオデジャネイロ州のクラウディオ・カストロ知事や政府関係者、工場の全従業員含む2,400名が出席。日産の内田誠CEOは「当社を牽引する長期ビジョン〝Nissan Ambition 2030〟に基づき、ブラジルと南米のニーズと実情を考慮。
今後数年間の変革を確実なものにするための現地戦略を策定しました。この新たな取り組みを開始することで、グローバルな目標の達成に向けてさらに進化し、貢献していくための強固な基盤を築きます」と語った。
より具体的には、今大規模投資によって同社はレゼンデ工場で2車種の新型SUVを生産するための設備の導入と改良を行う。
日産自動車によるブラジル投資は、10年間で62億レアルへ拡大
そのうちの1車種は、ブラジルを含めグローバルに成功を収めている「日産キックス」の後継モデルとなり、パワートレイン工場ではブランド全体で使用される先進的なターボエンジンを製造する予定という。また今後は、同工場で生産した車両を20カ国以上に輸出する。
更に生産品質を重視しながら新型車を導入する取り組みの一環として、同工場では2022年に第2シフトを導入して578人の雇用を創出。加えて日産は現地のサプライチェーンも拡大中で、今回の式典の直前には新たに4社がオンサイトのサプライヤーとして加わることが発表されている。
この新たな投資は、ブラジル市場および南米全域における同社の戦略を一貫して強化するもの。既にレゼンデ工場を建設した際には、総額26億レアルが投資されている。同社はこれが、ブラジルにおける自動車メーカーの生産工場の建設としては最大規模の投資の一つだとしている。
また操業開始後の数年間は、従業員の福祉をこれまで以上に向上させるため、新しい生産技術の導入や人間工学に基づく改善などに重点を置いた投資も行った。
結果、今回の2車種の新型SUVとターボエンジンの生産に向けた投資を含めると、日産のレゼンデ工場に対する投資総額は10年間で62億レアル(記事出稿時点で約865億円)に上るとしている。